阪急電車 片道15分の奇跡(2011)

 

 
 
阪急電車今津線にたまたま乗り合わせた人々の群像劇。
 
この作品、女性ならば結構共感してしまう内容ではないでしょうか。
出だしからイタイ女ばかり登場して、私好みの作品ではないと思ったのですが
途中から、見終わったあとから、だんだんと感動が湧いてきました。
「女」の世界で生き抜いていかなければならない「女」・・
 
私の知人などでも、美人で仕事ができて気が利いているのに
結婚しない、付き合ってもうまくいかない、ダメ男としか付き合わない
職場の上司との関係がうまくいかない・・
そういう女性います。
 
逆に何かとりえがあるようには見えないけれど
ただウネウネしているだけで
男性にモテる、上司から受けがいい、そういう女性もいます。
 
だけれど、強そうに見える女性のほうが実は心が弱くて
か弱く守ってあげたくなる女性のほうが
実はしたたかであるということを、女同士は見抜きます。
 
「討ち入りは成功したの?」
 
婚約者を後輩に寝取られた女性。
恋人からDVを受けている女子大生。
同級生にいじめられている小学生の女の子。
 
そんな不器用で、誰にも相談できない性格で、孤独に泣いていた女性たちが
小さな出会いをきっかけに
少しづつ立ち直って、元気を取り戻していく・・
 
「泣くのはいい。でも、自分の意思で涙を止められる女になりなさい」
 
一番素敵だったのは、軍オタの大学生カップルのエピソード。
お互いちょっと変わっていて、回りの友人からは浮いた存在。
そんなふたりが出会って恋をして・・・もう胸がキュンキュン。笑
 
恋人に暴力を振るう男性から「携帯出して!」と取り上げた友人が
携帯電話を真っ二つに折ってコップの水の中に突っ込むシーンもヨカッタ。
 
「絶対に幸せになるわよ!私は」
 
たとえ不器用でも、世渡りがへたでも
涙の数だけ、苦労の数だけ、もっともっと幸せを掴んでもらいたい。
すべての女性にそんなエールを送る物語なのだと思います。
 
 


 
 
【解説】allcinemaより
片道わずか15分の関西ローカル線“阪急電車”を舞台に、そこに乗り合わせた人々の悲喜こもごもの人間模様を心温まるタッチで綴った有川浩のベストセラー連作短編集を、中谷美紀戸田恵梨香はじめ豪華キャストで映画化したハートフル群像劇。監督は数々のTVドラマを手掛け、本作で映画デビューとなる三宅喜重
 宝塚から西宮北口までを約15分でつなぐレトロな雰囲気の阪急今津線。そこには、様々な事情を抱えた男女が、束の間乗り合わせていた──。純白のドレスに身を包んだOL翔子。彼女は、婚約者を後輩に寝取られてしまい…。かわいい孫を連れた老婦人の時江は、息子夫婦との関係に悩む日々…。彼氏のDVに悩む女子大生のミサ。ふとしたことから車内で口論となり…。庶民的な主婦、康江は、肌の合わないPTAの奥様グループの誘いを断ることができず…。地方出身の大学生の権田原美帆と小坂圭一は、おしゃれな大学に馴染めず…。年上の会社員と付き合う女子高生の悦子。大学受験を控え、成績が思うように上がらず…。