コッポラの胡蝶の夢(2007)


 
 
綺麗な映画でした、素晴らしい映像美。
夜道にはノワールの香り。
クラッシックで幻想的な風景。
セピア色に輝く女性がとても美しい・・
 
研究が未完のままの言語学者ドミニク・マティ(ティム・ロス)。
自殺しよう訪れたブカレストで雷に打たれたのをきっかけに
彼は若返り、知的能力も飛躍的に向上します。
 
こういう妄想って、よく理解できます。
ドミニクは雷に打たれましたけれど
トンネルを抜けたら違う世界だったとか
UFOに拉致されて戻ったら凄い能力を身につけていたとか・・
私もよく想像してしまいますね。笑
 
そして、成し遂げれられなかったことを成功させたい
若返り、特殊な能力が欲しい
好きだった人と甘い蜜の世界を過ごしたい・・
老いたとき人は、誰しもそんな願望を少しは描くのではないかと思います。
 
もしも、もう一度やり直せたらどんな人生をおくりたいですか?
私だったら、自分に都合のいい人生でしょう。
主人公と同じように。
 
故郷に戻り、懐かしいホールで旧友に再会したドミニク。
いつのまにか若い身体は老人に戻り、不意に死が訪れます。
とてもいい死に方だと思いました。
 
 
胡蝶の夢」とは荘子の故事から。
「荘周が夢を見て蝶になり、蝶として大いに楽しんだ所、夢が覚める。
果たして荘周が夢を見て蝶になったのか、
あるいは蝶が夢を見て荘周になっているのか」(荘子ーウィキペディアより抜粋)
 

 
 
【解説】allcinemaより
ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」の巨匠フランシス・F・コッポラ監督が、「レインメーカー」以来10年ぶりにメガフォンをとり、ひとりの男の世にも数奇な運命を描く幻想奇譚。原作はミルチャ・エリアーデの『若さなき若さ』。主演は「海の上のピアニスト」のティム・ロス、共演に「コントロール」のアレクサンドラ・マリア・ララ
 1938年、ルーマニア。年老いた言語学者ドミニク・マテイは、最愛の女性ラウラと別れてまで人生の全てを捧げてきた研究が未完に終わることを悟り絶望していた。自殺を決意しブカレストの街を歩いていた彼は、突然発生した雷の直撃を受けてしまう。やがて、病院のベッドで意識を取り戻すドミニク。即死してもおかしくないほどの全身やけどを負いながらも奇跡的に一命を取り留めていた。その後彼は、主治医も驚くほどの驚異的な回復をみせたばかりか、肉体的に急速な若返りを始めたのだ。さらに知的能力さえも大幅に向上していくドミニク。そんな自分に興味を示すであろうヒトラーの手を逃れるため、スイスへと亡命するドミニクだったが…。