ものすごくうるさくてありえないほど近い(2012)

 
 
人と人との繋がりが伝わる感動的な作品でした。
後半は涙が頬を伝わってしまいました。
 
愛する人を失ったとき、人はどう、その哀しみと向き合えばいいのか。
どう乗り越えたらいいのか・・・
911で父親を亡くした少年が
父からのメッセージを探してニューヨーク中を巡ります。
 
これは911テロで犠牲になった人の家族だけでなく
311などの自然災害
病気や事故など
ある日突然愛する人を失った経験のある人にとっては
とても見るのがつらい作品になるかもしれません。
 
もしかしたらアスペルガー症候群かもしれない少年のオスカー。
変わり者でヒステリックで、たぶん育てるのには手のかかる子でしょう。
そんなオスカーに、常に楽しくやさしく接してくれる父親。
誰も自分をわかってくれないけれど、父親だけは理解してくれるのです。
だけれど911のビルの爆破で死んでしまいます。
 
おばあちゃんの部屋の間借人役のマックス・フォン・シドーがいいですね。
かって家族を捨てた男
人には話せない壮絶な過去を持っているかも知れないそんな老人。
そんな間借人の老人がオスカーの話に耳を貸し、手助けをしようとします。
そして地下鉄に乗れない、橋を渡れない・・
オスカーの苦手をひとつづつ克服させていきます。
 
別れはとても辛いもの。
しかし新しい出会いをもまたもたらすのです。
 
だだ、母親の先回りのお膳立てはいらなかった・・
オスカーの成長をそっと見守るだけのほうが
ずっと素晴らしいラストになったでしょう。
 
もったいなかったなと思います。
 

【解説】allcinemaより
「僕の大事なコレクション」の原作『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』でデビューした注目の作家ジョナサン・サフラン・フォアが9.11後の喪失と再生をテーマに描いた傑作小説を、「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」のスティーヴン・ダルドリー監督が映画化。9.11のテロで父親を失った少年が、父の遺品である一本の鍵に合う鍵穴を探そうとニューヨーク中を旅する中で、様々な出会いを重ねながら少しずつ父の死を受け止め、悲しみを乗り越えていく姿を感動的に綴る。主人公の少年役には本作がデビューとなる新人トーマス・ホーン、共演にトム・ハンクスサンドラ・ブロックマックス・フォン・シドー
 9.11アメリ同時多発テロで最愛の父を失った少年、オスカー。いまだ悲しみから立ち直れずにいる母と2人暮らしの日々。そんなある日、父の遺品の中から一本の鍵を見つける。それが入っていた封筒には“ブラック”の文字。オスカーはこの鍵に父のメッセージが託されていると確信し、母親に内緒でニューヨークに住むブラック氏をしらみつぶしに訪ねて謎を解き明かそうと決意する。やがて、祖母のアパートに間借りしている風変わりな老人がオスカーの鍵穴探しの旅を手伝うようになるのだが…。