ミラーを拭く男(2003)

 

 
 
定年を間近に控えた皆川(緒方拳)は
小さな交通事故でカーブミラーに激突してしまいます。
そばにいた女の子がかすり傷を負いました。
しかしその身内の人間が、なんともタチの悪い人だったのです。
家にやってきては、電話をかけてきては、イヤミを言い金をせびり続けるのです。
皆川は家を出て、ミラーを拭く旅に出ます。
 
この作品のキャッチコピーは「あなたはこんな亭主を許せますか!?」
私はたぶん許せますね。笑
 
男性はたぶん、定年後に家族と過ごすのが耐えられなかったのでしょう。
妻にも子どもたちにも何の不満もない
でも家の中に居場所を見つけられないのです。
 
自由になりたかった・・
 
理由は何でも良かった
ただ交通事故とミラー拭きをきっかけに選んだだけなのです。
誰にも、何ににも束縛されることなく、ひとりになりたかったのです。
 
そんな彼をテレビ局は取材します。
そして全国にミラー拭きブームまで訪れてしまいます。
ただ、ひとりになりたいだけなのに・・
 
ラストは怪我で家族のもとに戻る主人公。
でもまたきっと家出するかもしれませんね。
 

 
【解説】allcinemaより
サンダンス・NHK映像作家賞日本部門受賞の脚本を映画化した家族の再生の物語。崩壊寸前だった家族が、ある出来事をきっかけに戸惑いながらもやがて新たな関係を見出していくまでをユーモアを織り交ぜ描く。監督は本作が劇場長編デビューの梶田征則。監督自身の家族がこの物語のモチーフになっているという。
 定年間近のサラリーマン皆川勤はある日、車を運転中、突然飛び出してきた自転車をよけきれずに撥ねてしまう。被害者の少女は軽傷で済んだが、勤はこれを機にすっかり働く意欲を失った。そしてある時、ふと思い立ったように脚立と清掃用具を抱えて事故現場を訪れた勤は、ひたむきにカーブミラーを拭き始める。ついには仕事も辞め、何かに取り憑かれたように市内のカーブミラーまでも磨くようになる勤。家族から問いただされても全く耳を貸さない彼は、やがて全国のカーブミラーを拭くことを目標に、ひとり北海道へと旅立って行った…。