酔いがさめたら、うちに帰ろう。(2010)


 
 
長年飲酒を続けていれば、健康を損なう恐れは誰しもあるわけですが
大量にお酒を飲む人でも、アルコール依存症になる人とならない人の
違いは何なのか?
アルコール依存症とは心の病気なんですね。
 
仕事も出来なくなり、暴言や暴力で家族を傷つける。
飲むか寝るだけの生活。
周囲の人間は、ただだらしないから酒をやめられないだけと
誰も理解も同情もしてくれません。
しかし本人はお酒を止められない自分にとても苦しんでいるのです。
 
主人公の安行は、元来心の優しい気弱な男なのでしょう。
カメラマンだった彼は、戦場で見る悲惨な光景に絶えられず
酒を飲むようになります。
なんども禁酒しようとしますが、「ビール一杯だけなら・・」と
また飲んでしまうのです。
 
「ビール一杯だけなら・・」と飲み始める心情・・
よくわかりますよね。笑
 
浅野忠信さんの酔っ払いの演技は本当に上手いです。
本物のアルコール依存症にしか見えません。
永作博美さんは大好きな女優さんですが西原理恵子さんとは
イメージが違いましたね。
もっと太目の(失礼、笑)パワフルな女優さんのほうが良かったかな?と・・笑
 
西原理恵子さんはこの夫を本当に心から愛していたのでしょうね。
映画からも、彼女のコミックに出てくる「カモちゃん」からも
その愛情の深さが伝わります。
依存症と癌に苦しんだ男だけれども、妻と可愛い子どもたちは
彼の心の優しさに、神様がくれたご褒美なのでしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
 漫画家・西原理恵子の元夫で2007年に腎臓癌で亡くなった戦場カメラマン、鴨志田穣による同名の自伝的小説を浅野忠信主演、永作博美共演で映画化。アルコール依存症に苦しみ、入退院を繰り返しながらも家族の愛情に支えられ、懸命に依存症を克服していく姿を描く。監督は「サード」「わたしのグランパ」の東陽一
 戦場カメラマンの塚原安行は、人気漫画家の園田由紀と結婚し、2人の子どもにも恵まれたが、いつしか酒に溺れてアルコール依存症となる。それが原因で離婚し、今は別々に暮らす日々。そんなある日、安行は再び吐血して病院に運ばれる。別れても安行のことを心配せずにはいられない由紀。そしてついに安行は嫌々ながらもアルコール病棟に入院することに。やがて、そこで出会った風変わりな患者たちや、個性的な医者たちと過ごす日々に安らぎを覚え、少しずつ回復していく安行だったが…。