キャデラック・レコード(2008)


 
 
ブルースのレーベルとして現在でも人気のある
シカゴのCHESSという会社の盛衰を描いた作品。
 
マディ・ウォーターズやチャック・ベリーは名前だけは知っていますが
ブルースには詳しくないし
ビヨンセが製作総指揮ということであまり期待はしていなかったのですが
なかなか上質な作品でした。
ビヨンセって美人で歌が上手いだけじゃないのね。って
今後はビヨンセ崇拝します。笑
 
レコードが大ヒットして儲かると、キャデラックをプレゼント。
当時はキャデラックが、アメリカにおける富や地位や名誉の
象徴だったのでしょう。
しかし成功と引き換えに酒や麻薬や女に手を出し
シンガーとしてはもちろん人生をも破綻させていくのです。
 
俳優陣の演技も歌も素晴らしく、当時の雰囲気が存分に味わえます。
ポーランド系移民の若き野心家レナード・チェスにエイドリアン・ブロディ
リトル・ウォルターのコロンバス・シュートにチャック・ベリーのモス・デフ
エタ・ジェイムズのビヨンセ・・
次々に大スターが登場するため、全く飽きさせません。
 
特にハウリング・ウルフを演じたイーモン・ウォーカーが良い。
あの存在感、歌の力強さ、ぜひご覧になっていただきたい。
 
白人プロデューサーと黒人アーティストが利用や信頼しあいながらも
あくまでも黒人と白人であるという痛切な関係・・
人種差別はしないけれど、白人側が搾取者でもあるという
そんな矛盾の描き方は巧い。
 
フーチークーチーマンの演奏シーンや
アイド・ラザー・ゴー・ブラインドのビヨンセの歌唱には感動します。
どの音楽シーンも間違いなく永久保存版。
 
お気に入りにINです。
 

 
【あらすじ】MovieWalkerより
1947年、シカゴ。若い野心家のポーランド系移民レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)はサウスサイドでバーを経営していた。そこで出会ったのは、物静かなギタリストのマディ・ウォーターズジェフリー・ライト)と、衝動的で派手なハーモニカ奏者リトル・ウォルター(コロンバス・ショート)。彼らのブルースサウンドに魅了されたチェスは、急激に発展しつつあるレコードビジネス・ブームに乗っかろうと、2人を雇う。発売されたアルバムは、徐々にR&Bチャートを上昇し、ラジオでも繰り返し流されるヒット曲となっていく。1955年になると、独特の演奏スタイル“ダック・ウォーク”でロックンロールの創始者となったチャック・ベリーモス・デフ)や、才能豊かな若い女性アーティストのエタ・ジェイムズ(ビヨンセ・ノウルズ)など、所属アーティストが続々とアメリカの音楽業界の中心に躍り出ていく。チェスは彼らを家族同様に扱い、ヒットの褒美にキャデラックを買い与える。わが世の春を謳歌するチェスだったが、時代は次第に変わっていった……。