ロッキー(1976)

 
 
この作品、まだご覧になられていない方でも
たぶんだいたいの内容は知っていることでしょう。
それくらい捻りのない単純なストリー、それがたまらなく素晴らしい。
 
30歳でヤクザな高利貸しの取立てをしながら
場末で賭けボクシングをする3流ボクサーのロッキー。
そして彼が恋をする、ペットショップで働く冴えない女性のエイドリアン。
 
ロッキーはとにかく彼女が好き、エイドリアンは大切な宝物。
壊れないように守ってあげたいし、やさしくしたい。
ロッキーには家族がいないのでしょう、トレーナーのミッキーや友人のポーリー
そしてヤクザの親分が家族の代わりに彼の面倒をみてきたのかも知れません。
母親の愛も知らない、ロッキーにとってエイドリアンは女神のような存在に
見えたかもしれません。
 
そして、ロッキーもエイドリアンも、ミッキーもポーリーも
どこかが欠けている、未熟で欠点ばかりの人間たちなのです。
そんなメンバーが無敵の世界チャンピオンの挑戦をうける。
 
戦う前から、負けてあたりまえの試合。
勝ち負けはどうでもいい、大切なのは最後まで戦うこと。
試合の後に、ただ必死でエイドリアンを探すロッキー・・・
 
冴えない男の、チャンピオンとの互角の戦うまでの成長。
冴えない女の、恋して綺麗になっていくさま。
そして、ビル・コンティの晴れがましいテーマ曲に
感動せずにはいられません。
 
もちろん、お気に入りにインです。
 

 
 
【解説】allcinemaより
無敵の黒人ボクサー、アポロが人気取りのため、格下の相手と闘うことを宣言した。チャンピオンに挑戦するチャンスを与えることで、アメリカン・ドリームを体現しようというのだ。アポロのマネージャーたちは、選ばれたロッキーがサウスポーなのを気にかけ相手を変えるように忠告するがアポロは無視。かくして薄汚れた下町の中、ロッキーのトレーニングが始まる……。アカデミー作品、監督、編集賞を受賞しS・スタローンを一躍トップ・スターに押し上げた感動のスポーツ・ドラマ。トレーナー役のB・メレディスも味のある演技を見せる。売れない役者だったスタローンがムハメッド・アリと無名ボクサーの対戦に感動して、三日で脚本を書き上げ、本作で正にロッキーの如くアメリカン・ドリームを体現した話は有名で、シンプルなストーリーだからこそ得られる素直な感動があり、何度も立ち上がるロッキーの姿は、いつ観ても力がこもるパワーに溢れている。B・コンティのテーマ曲だけでも、泣ける