疑惑の影(1946)

 
 
ヒッチコック監督作品の最大の魅力は、冒頭の掴みの巧さですよね。
誰しも映画が始まったとたん、ヒッチコックワールドに引き込まれます。
 
裏町のアパートの一室の床に散らばったお金。
ベッドに横たわる男。
「証拠は何もないはずだ・・」男はつぶやきます。
この作品も掴みはバッチリ。
 
 
そして、のどかなで退屈な田舎の町。
実業家でハンサムなチャーリー叔父さん(ジョセフ・コットン)が
家にやって来くるというので年頃のチャーリー(テレサ・ライト)は大喜び。
叔父さんにもっと近づいて、叔父さんと親密になりたいチャーリー。
しかしそのことが、叔父さんの秘密にも近づいて行ってしまうことになります。
 
 
大好きな人が人殺しかもしれない・・
 
このテレサ・ライトの演技が緊張感や緊迫感が伝わり素晴らしいです。
 
ラストはヒッチコック監督らしくないというか、
どちらかといえば、ヘンリー・コスター監督作品のように人情味ある暖い
終わり方でしたね。
 
 
それにしても、女性にその人と違うイニシャル入りの指輪をプレゼントをしたら
たとえ殺人犯じゃなくても、あれこれ疑惑の目を向けられるのはあたりまえ。
殿方のみなさんは気をつけたほうがいいでしょう。笑
 

 
【あらすじ】yahoo!映画より
カリフォルニア州サンタローザ。その街で家族と共に平凡に暮らす長女チャーリーは、突然やって来た叔父に秘密の匂いを嗅ぎとる。やがて二人の探偵が現れ、チャーリーは叔父に未亡人殺しの疑いがかかっている事を知る。明るい日常生活の中でチャーリーひとりが、叔父が殺人犯かどうかの疑惑にさいなまれていく……。