ハーヴェイ(1950)


 
 
 
町一番の変わり者と呼ばれる名門家の主人
エルウッド(ジェームズ・スチュワート)は友人のハーヴェイといつも一緒。
でもこの親友、エルウッド以外は誰にも見えないのです。
おまけにハーヴェィは、身長が190センチ以上ある白いウサギの姿の
POOKA(プーカ・妖精)だというのです。
 
まわりの人々はそんなエルウッドを、どうにか正気にしようとします。
 
紳士で、おだやかで、やさしいエルウッド。
彼はただ、ハーヴェィが見えるだけなのです。
 
「この世で通用するのは、賢い人か、好かれる人よ」
「賢くあるよりも、好かれるほうがいい・・」
愛や、やさしさや、思いやりは、形として目に見えないですよね。
ハーヴェィはそんな目に見えない大切なものの、擬人化なのでしょう。
 
ハーヴェイは魔法を使えます。
それは、いつでも好きな場所に行って、好きなひとと会えるというもの。
そしてその間、決して時間は経過しないのです。
 
なんて素敵な魔法なのでしょう。
私のところにも、ハーヴェィに来てほしい!
 
でも、ハーヴェイは純粋で、心が綺麗な人の前にしか現れないのです・・・
 

 
【解説】allcinemaより
米国中西部の典型的スモール・タウン、グレンドーラ。父の遺産で何不自由のない生活を送る未亡人には、しかし、大きな悩みの種があった。それは屋敷に同居する弟で現当主であるエルウッド。彼はここずっと、“ハーヴェイ”と呼ぶ身長6フィートの白兎を最良の友とし、ほかの誰にも見えないこの親友を誰彼構わず紹介しまくるのである。夫人の年頃の娘などは、自分に嫁の貰い手がないのは伯父エルウッドのそうした奇行のせいだと頑なに信じている。ついにはエルウッドを精神病院送りにと話は決まるのだが…