台風騒動記(1956)


 
 
 
台風の被害で、住む家を失い
集団生活している貧しい階層の人たちが住む旧弾薬庫。
一方、町の議会では天丼を注文し、
国から1千万円の補助金を騙し取ろうとしています。
 
そんな中、たまたま町にやってきた見知らぬ青年が
政府から現地調査に来た人間と間違えられ、
あれやこれやの接待を受けることになるのです。
 
本当に必要なところにはお金が回らず、
私腹を肥やそうとする人間ところにばかり行ってしまう・・・
 
「台風は毎年くる。この地方にもきた。天災は恐ろしいが 
この国では 天災のあとに もっと恐ろしい ものがくる」
この作品は、こんな言葉からはじまりました。
 
そしてラストにまた字幕が現れます。
 
「天災の後にくるのは、人災」

 
50年以上前に撮影されたものとは思えないですよね。
今日の日本でも、今なお震災で不自由な生活をしている人が多くいるのです。
はたして50年前から、議会のあり方は、
社会問題は解決されたのでしょうか・・・
 
真面目な女性教師(野添ひとみ)と、
彼女に想いを寄せるもうひとりの教師(菅原謙二)。
間違えられた青年、吉成(佐田啓二)と彼に想いを寄せてゆく芸者(桂木洋子)。
町長に議員に消防局長と・・登場人物が皆個性的で、
しかも本当にいそうなイメージの人間ばかり。
 
この作品、コメディにもかかわらず
ちょっと腹が立ってしまうかも知れません。
 

【あらすじ】goo映画より
海辺の町が巨大台風の直撃を受け大きな被害を受ける。県会議員、町長、議長たちは、無事だった小学校をわざと取り壊し、台風の被害だと国から一千万円の補助金を受け取ろうと画策していた。町議会は町長の責任で校舎の取り壊しを決定、学校は砂煙を上げて倒壊する。大蔵省から監査官が来るという知らせを聞き、町長夫人はバス停で監査官を待っていた。一人の青年がバスから降りるのを見て、町長夫人は彼を料亭へ連れ込み、買収しようとする。