レニングラード 900日の大包囲戦

 
独ソ戦での饑餓と爆撃によって100万人もの犠牲者が出たとされる
 戦争映画としてなかなか良かったと思います。
 
兵糧攻めレニングラードを陥落させようとしたヒットラー
食料の補給は途絶 、多くの人々が栄養失調で起き上がることも出来ない。
 
イギリスに亡命したロシア白軍の娘で記者のケイト(ミラ・ソルヴィノ)は
前線で取材中ドイツ軍の攻撃によって負傷して逃げ遅れてしまい、
死亡したと思われてしまいます。
そんな彼女を助けるロシアの警官ニーナ(オルガ・ストゥローヴァ)。
しかし、革命で彼女らの父親同士は白軍と赤軍という敵同士だったのです。
 
ふたりのヒロインが主人公ということもあり、
戦争映画にしては女性的な作風かもしれません。
ロマンチックな恋の場面もあります。
 
市民の生活や、街や、戦地の様子も戦時中という雰囲気が
実によく伝わってきました。
ニーナのアパートの住人である、
ユーリとシーマの兄妹と母親はわずかな食べ物を
丈夫なシーマに多く与える場面などは印象的でした。
母親はどうにか元気なシーマだけでも助けたいと考えているのです。
 
主演者も、英語圏、ロシア語圏、ドイツ語圏から出ており、
それぞれの言語で物語が展開するので、リアリティがありましたね。
 
もし戦争がおこったら、敵だけではなく「飢え」と戦わなくてはいけないこと。
むしろ本当の敵は空腹なのだと。
そんな訴えを感じる作品です。
 

【あらすじ】wowowオンラインより
第2次大戦中、ドイツは、当時旧ソ連第2の都市レニングラード(現サンクトペテルブルク)を攻略するにあたって、その周囲を包囲して食糧や弾薬の補給路を断つ作戦を断行。両軍の攻防戦は約900日に及び、その間市民は、敵軍の攻撃に加えて厳しい寒さと飢餓との闘いにも直面することとなった。その実話をベースに、空襲に遭ってはからずも同地に取り残されるはめとなった外国人女性記者の生死を懸けた熾烈なサバイバル劇を、「誘惑のアフロディーテ」のM・ソルヴィノの主演でドラマチックに描く。