デルス・ウザーラ

 
 
 
 
1975年の黒澤明監督によるソ連・日本の合作映画。
 
こういうドキュメンタリー風な作品ってはじめてですが、とてもよかった。
厳しい自然と寒さが画面から伝わります。
黒澤作品のなかでも個人的に上位にランクイン。
羅生門なんかよりずっと面白い。
  
たったひとり森で暮らすデルスの人柄が良い。
自然や生き物を尊敬し共に生き、まさに「心が美しい」という言葉がぴったり。
山小屋を後にするとき、薪とマッチ、コメと塩を置いて行くのには感動しました。
次にやってくる誰かが、寒さや飢えで死なないように残して行くのです。
 
 
トラ・トラ・トラ』での降板、『どですかでん』での商業的失敗。
映画製作の道を閉ざされてしまった黒澤は、
浴槽でカミソリで21ヶ所を切り自殺未遂。
そんな日本では再起が難しくなった黒澤に、
映画を撮らせたのがソ連だったそうです。
そして、この作品でアカデミー賞外国語賞の受賞しました。
 
そんな黒澤監督の挫折と栄光のエピソードを知るとともに、
若い世代の方に、ぜひ観ていただきたい名作だと思います。
お気に入りで。
 

【あらすじ】ウィキペディアより
ロシア人探検家(作者)のアルセーニエフは、当時ロシアにとって地図上の空白地帯だったシホテ・アリン地方の地図製作の命を政府から受け、探検隊を率いることとなった。先住民ゴリド(現ロシア名:ナナイ)族の猟師デルス・ウザーラが、ガイドとして彼らに同行することになる。シベリアの広大な風景を背景に、2人の交流を描く。