邦画・戦争

あゝひめゆりの塔(1968)

今井正監督の「ひめゆりの塔」(1953東映) 「太平洋戦争と姫ゆり部隊」(1962新東宝)に続いて 舛田利雄監督の日活ニューアクション世代による三度目の映画化 主人公は中村翫右衛門が校長をする女子師範学校の総代で みんなを引っ張っていく係の吉永小百合 同級…

肉弾(1968)

まさか戦争をコメディにしてしまうとは。今でいうと自虐ネタ、とてもシュールです。このセンスは凄い、現在ならありえない。ある二等兵の「あいつ」はあまりの空腹のため人間から、食べた食物を吐いてはまた飲み込む牛になりさらには上官の命令で豚(裸)に…

黒い雨(1989)

井伏鱒二氏による高名な小説「黒い雨」と同氏の短編「遥拝隊長」のふたつの物語をもとにしたモノクロ作品。原爆投下直後の広島の光景はまるで地獄絵図のようでした。黒こげで横たわる大量の死体。皮膚が焼けただれぶらさがっている被爆者。目と鼻と口の位置…

父と暮せば(2004)

「あんときの広島は死ぬるのが自然で、生き残るのが不自然なことやったんじゃ」井上ひさしさんの舞台劇ということですが映画のほうも舞台のお芝居をみているような感じですね。ヒロインの宮沢りえさんは、どんな役柄でもどこか痛々しくて見るのが辛い女優さ…

ビルマの竪琴(1985)

「いっしょに日本に帰ろう」大戦中、ビルマ(ミャンマー)での日本軍のインパール作戦。インド領内の連合国側の本拠地インパールを制圧しようと補給もないなか、無謀にも日本軍は進軍しました。飢えと病に苦しみ、疲れ果て、傷つき14万人近くの日本人が戦…

零戦燃ゆ(1984)

男の子の多くは物心がついた時から誰に教わったわけでもなく飛行機を手に持っては飛ばしタイヤの付く乗り物を走らせ木の枝で刀やピストルを真似ます。食べるのや寝るのと同じく、本能なのでしょう。 貧しい田舎出身の浜田(堤大次郎)と水島(橋爪淳)が海…

明日への遺言(2007)

冒頭の第二次大戦時の空襲後の写真とフィルムは衝撃的でした。山積みになった、ただ人間の形をした真っ黒な大量の死体。大やけどを負って治療する人々の無表情。苦しいだろう痛いだろうに声をあげることもありません。地獄を見た感情のない瞳。 空襲による…

独立愚連隊(1959)

中国人慰安婦と心中した弟の死の真相を調べに来た記者の荒木(佐藤允(まこと))。取材で最前線に行く途中、独立愚連隊という隊に立ち寄ります。そこは大隊長は頭がおかしくなっていて副官は捕虜を標的に拳銃の練習をするというとんでもない隊。 そこで荒…

二等兵物語/女と兵隊・蚤と兵隊(1955)

発明家の古川凡作(伴淳三郎)と靴修理屋、柳田一平(花菱アチャコ)は同じ頃赤紙を受け取り入隊。心がやさしく、要領が良いとはいえないふたり。そこで待っていたのは、上官の理不尽ないじめばかり。 古川は悦子という女性と知り合い付き合い始めます。し…

二百三高地(1980)

天皇に対する忠誠心だけで戦争指揮をする乃木と、そんな彼の性格を熟知している児玉。そして、ふたりの関係を見つめる大山巌・・ 私なぜか、もし前世があったならば、自分は軍人だったのかではないかと思うときがあります。結構頭が固く、なんとなく軍人的…