邦画・名作/傑作

喜びも悲しみも幾歳月(1957)

昭和7年にたった一度のお見合いで結婚した有沢四郎と妻のきよ子の灯台守夫婦の20数年にわたる物語。現在の灯台は自動化し無人化しているそうですがかっては海の安全を守るためにどこの灯台にも灯台守が勤務していたのですね。灯台に併設された家(官舎)…

十三人の刺客(1963)

「これで良いのだ、これで貴公の面目も立つだろう」フィルムセンターにて鑑賞。劇場で時代劇を鑑賞したのって初めてですけれど迫力がなかなかあっていいですね。古い映画で白黒でしたけれど渋さがありました。三池崇史監督によるリメイク版よりも個人的には…

浪花の恋の物語(1959)

「櫛は縁を切るという謎言葉」カメラがいいですね、流麗な撮影にうっとり。そして見事な美術、これが有名な東映美術なのかと唸ります。昔の遊郭や商人の家はこういう造りだったのでしょうね。三味線で奏でる音楽も耳に心地よい。遊女とのたった一夜の契り。…

飢餓海峡(1965)

「あんたの歩いて来た道には草木も生えない」 ずいぶんと画質が悪いなと思いましたが。笑W106方式という撮影で意図的に粒子を荒くしているのですね。3時間強というとても長い作品でした。 戦後間もない日本。誰もが生きること、食べることにただ必死だった…

富士山頂(1970)

昭和38年。台風観測のために富士山頂に気象庁のレーダードームを設置するという三菱電機による前人未到の工事。 地味な作品ではありますが高度経済成長の記録映画として鑑賞するのに貴重な作品でしょう。しかもため息がでるくらいのオールスターキャスト…

座頭市(1989)

当時、殺陣のリハーサル中に日本刀(真剣)が俳優の首に刺さり死亡してしまい一大スキャンダルとして報道され、バッシングされていたのを覚えています。しかし映画は大ヒットしました。 リアリティを出すための演出へのこだわりの為に、死者まで出してしま…

丹下左膳余話 百萬両の壺(1935)

下のallcinemaの解説の長さ。笑天才と謳われた山中監督が、いかに絶賛されているのかが伺われます。 山中監督が28歳の生涯で撮った作品は全26作。23作が戦災で焼失、または国策映画製作のために作品のフィルムが使い回され消滅。現在観賞できるものは…

狐の呉れた赤ん坊(1945)

「もう一度死ね!」 捨て子を苦労して育てる・・和製版「キッド」といった作品でしょうか。おちゃらけているけど、ちょっと切ない。寅役の板妻さんとチャーリーがかぶります。 しかしここは日本人同士、板妻さんの表情や演技には思わずより感情移入してしま…

二十四の瞳(1954)

有名ですよね、タイトルだけなら知らない人はいないでしょう「二十四の瞳」。 私も小学生の頃、児童文学用のものを読んだことがあります。しかし自分の記憶には「小豆島若い女性教師と12人の子どもたちの温かい交流」しか残っていませんでしたが実際の内…

カルメン故郷に帰る(1951)

当時はカラー映像を撮影するために、今とは比べ物にならないくらいの強い照明が必要だったそうです。主演者は灼熱地獄の中での演技だったとか。高峰峰子さんや佐田啓二さん、笠智衆の名演を観ているととてもそんな過酷な労働条件だったとは思えないですよね…

マダムと女房(1931)

国産トーキーの記念すべき第1作。 昭和6年公開ということてすが私的にはそれほど古臭さを感じずに鑑賞できました。オープニングで映し出されるキャストのロゴなんて、お洒落に思えたくらいで。当時の日本は、海外の文化や風習が庶民の中にも浸透してきた…

東京五人男(1945)

終戦3ヶ月後に撮影を開始し、翌年1月に公開された斎藤寅次郎監督による風刺コメディ。 東京大空襲の後の、地平線まで続く焼け野原には唖然とするばかりでした。画面から焦げ臭さが漂ってくるような衝撃。がれきの山と、汚いバラック。なにもない東京を、…

家族(1970)

「遥かなる山の呼び声」に続く物語だったとは知りませんでした。民子三部作ということで、第二作「故郷」という作品は残念ながらまだ観ていません。 もの悲しい、切ない気持ちになる作品でした。 当時は九州から北海道までの旅というものがとても過酷であっ…