ルキノ・ヴィスコンティ

異邦人(1967)

「昨日ママンが死んだ」 原題は「Lo Straniero」仏題は「L'Étranger」英題は「The Stranger 」 原作はアルベール・カミュの同名小説「異邦人」 私も10代の頃読んだことがあります 有名すぎる文学のわりに本が薄かったから(笑) ヴィスコンティの幻の作品と…

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942)

「靴を履いて寝るのは死人だけだ」 原題は「Ossessione」(妄執) 原作はジェームズ・M・ケインの「The Postman Always Rings Twice」 (郵便配達は二度ベルを鳴らす 1934) しかし原作者の許可を得ることなく、違法に映画化 公開数日で上映禁止となり 第二…

揺れる大地(1948) デジタルリマスター版

「映画は貧しい一漁村にロケして製作され 出演者もすべて 住民の中から選ばれた 反抗という言葉も知らない 純朴な人々だった」 原題は「La terra trema: episodio del mare」 (揺れる大地:海のエピソード) 原作は シチリアの作家ジョヴァンニ・ヴェルガの…

若者のすべて(1960)

「自分たちの育った田舎では、家を建て始めるとき 大工の親方が最初に通った人の影に石を投げる風習がある」「なぜか」「家の基礎を固めるためには “いけにえ” が必要だからだ」 原題は「ROCCO E I SUOI FRATELLI」(ロッコと彼の兄弟)自堕落的な兄と真面目…

山猫(1963) 「イタリア語・完全復元版」

イタリア政府が国を挙げて修復に取り組み 美しく甦った映像の世界遺産 ヴィスコンティは当時、貴族の末裔でありながら 無産階級の人間と有産階級の人間に違いなどないという信条をもち コミュニスト(共産主義者)で「赤い公爵」と呼ばれていたそうです そん…

ベニスに死す(1971)

「覚えている。 父の家にも砂時計があった。 砂の落ちる道が非常に狭くて、最初はいつまでも上の砂が変わらずに見える。 砂がなくなったことに気づくのは、おしまいのころだ。 それまでは、だれもほとんど気にしない。 最後のころまで。 時間が過ぎて、気が…

ボッカチオ'70(1962)

豪華、豪華 贅沢、贅沢 よくもこんな凄い映画があったものです。 お洒落でちょっと色っぽい イタリアンコメディのオムニバス。 今見ても、古臭さを微塵も感じることはありません。 さすが巨匠と唸るしかない。 女性は結婚退職しなければならない職場で 仕事…