
タイトルのサクラとは
警視庁の本庁舎が皇居の「桜田門」のすぐ目の前にあることから
隠語として警察内部やマスコミから、警視庁が「桜田門」 と呼ばれていること
また警察の紋章「旭日章」(警察紋)のモチーフが「桜」であることから
警察組織全体を示していること
さらにかつて公安の精鋭部隊や協力者(スパイ)が「サクラ」という
コードネームで呼ばれていたこと (現在は「チヨダ」や「ゼロ」と呼ばれている)

ストーリー的には、桶川ストーカー殺人事件(1999)や
(この事件をきっかけに「ストーカー規制法」が制定された)
オウム真理教の地下鉄サリン事件(1995)など
実際に起きた事件をモデルにしていることがわかりますが
そのわりにはライト
当時の事件をリアルタイムで知らない(あるいは記憶がない)
Z世代を狙ったのかも知れませんが
本当の被害者がいたことも忘れてはいけません

オープニング、フードをかぶった男が、女性の顔をシンクに張られた水に押しつけ
やがて息絶えた女性を車のトランクに運び、橋の上から川へと投げ捨てます
愛知県の平井中央警察署では署員が電話の対応に追われています
女子大学生の長岡愛梨の遺体が見つかり
彼女が平井中央警察署の生活安全課に
ストーカー被害を何度も訴えていたにもかかわらず
警察は被害届の受理を一週間も遅らせてしまったことが判明
その2日後、愛梨は被害を訴えていた宮司(神主) の宮部秀人に殺されました
マスコミはもっと早く被害届を受け取っていたら助かっていたと叩きますが
警察は「生活安全課が別の事件で忙しかった」と弁明します

そんな中、米崎新聞が警察署が「別の事件で忙しかった」のではなく
慰安旅行に行っていたことをリーク
さらに警察への批判は激しくなります
埼玉県警の広報広聴課で働く事務員の森口泉(杉咲花)はその騒動の中
親友で米崎新聞の記者の千佳(森田想)のアパートに
お泊り会した夜を思いだしていました
泉が同期の磯川(萩原利久)から「慰安旅行のお土産をもらった」と
何気に出した和菓子を差し出すと
最初は彼は泉に気があるんじゃないかと冷やかしていた千佳でしたが
磯川が生活安全課であることから
殺された女子大学生の被害届が遅れたのは、慰安旅行のせいではないかと疑います
泉が「聞かなかったことにして」「記事にしないで」
警察関係者が新聞記者と親しいとバレただけでも大変なんだと懇願
千佳は「分かった」と約束します

しかし慰安旅行のスクープが米崎新聞に掲載
千佳とファミレスで落ち合った泉は、記事を書いたのは千佳ではないかと訪ねます
千佳はそんなことはしない、私を信じてと必死に否定しますが
泉は千佳が新聞社のデスク、兵藤(駿河太郎)と不倫していることを知っていました
もしかして彼のために約束を破ったのではないかと疑っていたのです
千佳は「疑いを晴らすから、その時は謝ってよ」と泉と別れます
その数日後、上野川の下流で千佳の遺体が発見されたと報告が入ります

千佳の通夜の後、元公安の刑事の富樫(安田顕)に食事を誘われた泉
富樫はかって「公安のタカ」と呼ばれた有名人
その富樫が、千佳の携帯が水没して使えなかったこと
通話履歴から泉と千佳が知り合いであること
記事が出る前に2人が会っていたことがわかったと伝えます
(携帯は水没して使えなかったのに、なぜ通話履歴はわかった? 笑)

そうして泉は捜査一課のベテラン警部補
梶山(豊原功補)から事情聴取を受けることになります
梶山から千佳の死因は溺死、しかし肺からは水道水も検出され
別の場所で溺死させられ、川に捨てられた可能性が高い
爪の間からは皮膚片が見つかっており、明らかな殺人だろうと説明します
さらに千佳は記事が出てから1週間、新聞社を欠勤し
車の移動履歴から何度も小先市へ向かっていたことがわかったこと
美咲の脱いだ靴がミリ単位で揃っていて
自殺する直前の人間がそこまでするかという疑問に思っていること
さらに上(公安)から、他殺の可能性は無視して自殺として処理するよう
指示されれていたこと教えます

梶山は病死した泉の父親(元警察官)の後輩で父親と親しく
泉にとっては子どもの頃から親戚の「おじさん」のような存在
規則違反を承知で千佳の捜査情報を提供したのです
(だからって広報課のいち事務職員に教えていいもの? 笑)

泉が千佳が自分のせいで死んだのではないかと磯川に相談すると
磯川は生活安全課の嘱託職員だった
百瀬美咲(中村祐美子)という女性が突然解雇され
(千佳ではなく)美咲が慰安旅行の情報を新聞社に漏らしたのではないかという
噂が流れているといいます

そこで磯川はゴシップ好きのベテラン女性職員に美咲のことを尋ねると
美咲が刑事の辺見(坂東巳之助)と不倫していたこと
(すなわち警察内部の機密情報を知っている)
美咲の実家が小先市だったことがわかります
泉と磯川が小先市の実家を訪ねてみると
美咲の父親は「美咲は2日前に死んだ、自殺だった」と答えるのでした
一方で娘は「自殺」するような子ではない
美咲の部屋を見せてもらった泉と磯川は、美咲の残した手帳に
「ボン・ヂア」という謎の言葉を見つけます

次に千佳の実家を尋ねた泉は仏壇に手をあわせ
千佳の母親(藤田朋子)から「警察から返ってきた」とという
千佳の遺品のバックを見せてもらうと
中から神社のおみくじを見つけ、在原業平の和歌が記されていました
「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」
「サクラ」とは公安警察のこと
これは「もし公安が存在しなければ、世の中はどれだけ平和だろう」
という意味のメッセージで
ストーカー事件の犯人が宮司していた「平井神社」のものではないだろうか
おみくじを富樫に見せる泉

公安の秩序を守るためなら個人の犠牲を厭わないという非情な論理に
長年尽力してきた富樫でしたが
泉の親友の死の真相を知りたい、犯人を突きとめたいという
純粋な願いに心を動かされたのか、彼女に一冊の極秘資料渡します

そこには、公安が長年追い続けてきた教団「ソノフ」の
内部実態が詳細に記されていました
「ソノフ」とはかつて駅で毒ガス事件を起こし
多数の死傷者を出したカルト教団新興宗教「ヘレネス」が改名した団体名のことで
美咲は公安の指示で教団に入り込んでいた「協力者(S=エス)」
つまり公安のスパイだったことがわかります
美咲の手帳に書かれていた「ボン・ヂア」(Bom dia) とう言葉は
(教団の信者にはブラジル系の移民とその家族が多い)
ポルトガル語で「おはよう」の意味で
定期的にSNSやメールで「ボン・ヂア」と発信することで
誰にもばれないよう自分の無事を公安に伝えていたのです
(記憶するのではなく、手帳に書き残しておくものかね 笑)

その後、千佳が死んだ場所の防犯カメラの映像から
「ソノフ」信者の浅羽(遠藤雄弥)という男の車が停車していたことが判明
さらにDNA鑑定で、千佳の爪に残っていた皮膚片が浅羽のDNAと一致
教団施設を家宅捜索すると、毒ガスの原料が大量に見つかり
浅羽は逃走しますが運転していた車が横転し死亡

事件は解決したかに思われましたが、泉には納得できませんでした
本部には知らせず、磯川とともに「平井神社」に向かう泉
長い階段、生い茂る木々、昼間でも薄暗く
あまり手入れが行き届いていない神社
なのに古い神殿に不釣り合いな最新式の防犯カメラ
参拝者ではなくなぜか森のほうに向けられていることに気付いた磯川
カメラのレンズが向けられている先に歩いて行くと
そこには小さな祠(神殿)があり、泉が中を覗くと
「ソノフ」のシンボルである「聖杯」のモチーフ
ストーカー殺人事件の宮部容疑者は「ソノフ」の信者だったのです

そこに突然(神職の姿をし境内を掃除していた)浅羽が
刃物を持って襲いかかってきます
泉を助けようとした磯川が浅羽に刺されると
公安警察がなだれ込み浅羽を確保
Sである美咲と、それを知ってしまった千佳は浅羽に殺され
公安は事故死したのは別の人間だったと知っていて
浅羽をずっと張っていたのです

磯川が重傷を負い病院へ搬送されたことへの責任
公安の闇工作を目の当たりにし絶望した泉の姿を見た梶山は
富樫から受け取った極秘資料を(泉が渡されたのと同じ資料か)
捜査員たちが大勢いるいる署内(共有スペース)のコピー機で
コピーしはじめ「配れ」「読め」と渡して行きます
黙認する富樫(梶山がこうすることを期待していた)
捜査員たちは資料をもとに「ソノフ」を一斉検挙

やがて桜が咲く季節になり、泉は回復した磯川に
広報広聴課を辞め警察官になる決意を語ります
「警察学校にもう一度入って、やり直す」
これまでの古い体質や隠蔽を残したままの「腐敗したサクラ」ではなく
父親や梶山のように「朽ちないサクラ」になるのだと
【解説】映画.COMより
「孤狼の血」シリーズの柚月裕子による警察ミステリー小説を杉咲花の主演で映画化。杉咲演じる県警の広報職員が、親友の変死事件の謎を独自に調査する中で、事件の真相と公安警察の存在に迫っていくサスペンスミステリー。
たび重なるストーカー被害を受けていた愛知県平井市在住の女子大生が、神社の長男に殺害された。女子大生からの被害届の受理を先延ばしにした警察が、その間に慰安旅行に行っていたことが地元新聞のスクープ記事で明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が記事にしたと疑うが、身の潔白を証明しようとした千佳は一週間後に変死体で発見される。後悔の念に突き動かされた泉は、捜査する立場にないにもかかわらず、千佳を殺した犯人を自らの手で捕まえることを誓うが……。
泉役を杉咲が演じるほか、安田顕、萩原利久、豊原功補らが顔をそろえる。監督は「帰ってきた あぶない刑事」の監督に抜てきされた原廣利。
2024年製作/119分/G/日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ















桃子の
































































































