マッドマックス:フュリオサ(2024)

原題はuriosa: A Mad Max Saga」(フュリオサ:マッドマックス サーガ )

サーガとは大河ドラマや英雄物語といった冒険談のこと

 

これは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を

見ていない人はもちろん

見たことがある人ももう一度見たほうがいい(笑)

フュリオサ(シャーリーズ・セロン)によって言葉少なく語られた

彼女の生い立ちが解き明かされるというもの

ジョージ・ミラー監督はシリーズを6作目まで構想していて

「怒りのデス・ロード」は6作目

「フュリオサ」は4作目にあたり

当初はアニメ映画にするつもりだったそうです

 

「怒りのデス・ロード」では「緑の地」から誘拐されてから

20年以上月日が経っているので

5作目の物語があったと知って見ると違和感も納得

「フュリオサ」で「戦い方を教えてやる」と言ったジャック(トム・バーク)が

いっこも教えていないし(笑)

デメンタス将軍による拷問でもジャックが死んだというシーンはない

フュリオサが自らの腕を嚙みちぎって逃走したあと

崖の上から眺めてる男(フュリオサを助けた?)はマックス?

そんな技術どこで覚えたよろしく、速攻義手作っちゃうし

(しかもそんなに早く怪我治るか)

ウォー・ボーイズの大隊長になっちゃってるし

そのなかでイチバン残念なのがディメンタスクリス・ヘムズワース)の

究極のワルなのか、父親像にしたかったのか

どっちもつかずの中途半端な描き方

イモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)に戦いを挑んで

潔く死んでくれたほうが気持ちよかったわ

 

「怒りのデス・ロード」のときのような斬新さも衝撃も

新しいものも何もなかったけど

シャーリーズ・セロンの演じたキャラの中でも最も人気の高い

「フュリオサ」を演じたアニャ・テイラー=ジョイは相当なプレッシャーの中

頑張ったと思いますね

 

何より中盤までのほぼ半分を演じた子役の存在感

成長したアニャの姿と、どっちかわからないくらい違和感ないのは

子役の顔にアニャの顔をAIで合成しているそうです

そして、もうひとりのはじめまして

フュリオサの母親を演じたチャーリー・フレイザーのカッコいいこと!

ファッション界における「トップ50」モデルのひとりということで

私的にはスミマセン、こちらの方のほうが

若き日のフュリオサにぴったりだと思いました

 

年齢はアニャと同じですが、身長も180センチ近くあり

映画界のスーパーモデルともいえるセロン姐さんに決して見劣りしない

久々のロックオン、今後の活躍に期待します

 

【ここから結末に触れています】

地球規模の核戦争から45年後

汚染された荒野になったオーストラリアに最後に残された

「緑の地」(女性(母親)と子どもたちだけが暮らしている)で

無法者のバイカーを見つけた幼いフュリオサは

彼らのバイクを破壊しようとしますが、さらわれてしまい

暴走族集団「バイカー・ホード」 にのリーダー、ディメンタス将軍に

助けに来た母親を拷問死させらてしまいます

ここでは若い女性は資源と同じ、貴重なんですね

ディメンタスはフュリオサを死んだ息子の代わりに養子にし

(緑の地の場所を知りたいという魂胆もある)

フュリオサはディメンタスに復讐するため、生き抜くことを誓います

そのまんま、西部劇(笑)

馬が改造したバイクや車になり

そこでディメンタスと

シタデル(水、緑、女性たちがいる砦) とガスタウン(石油精製所)を支配する

イモータン・ジョーが覇権争いをしているというもの

 

ディメンタスにガスタウンを襲われたジョーは

(未来の妻にするため)フュリオサと医師(アンガス・サンプソン)と引き換えに

ガスタウンの権限と、食料と水の供給を増やすことを同意するのです

フュリオサはジョーの妻たちが集う場所で大切に扱われますが

ジョーの息子リクタスネイサン・ジョーンズ)がフュリオサを拉致

リクタスに迫られたフュリオサは(地毛で作ったかつらを使って)逃げ

口がきけない少年のふりをして、ジョーのガスタウンで働いているとき

落下しそうになった重機を救ったことで昇進

武装の補給タンカー「ウォー・リグ」のメカニックに携わるようになります

 

ジョーは同盟の(採掘施設)バレット・ファームから武器と弾薬を集めるため

大隊長のジャック に「リグ」でオイルと食料品を運ぶよう命じ

「リグ」を奪い「緑の地」に帰るため、隠れて乗り込むフュリオサ

バレット・ファームまでの道のりは無法地帯の「デス・ロード」

オイルと食料品を狙った襲撃者「ヤマアラシ軍団」に襲われ

フュリオサも戦いに加担

なんとか襲撃者は振り切ったものの、護衛のウォー・ボーイズは全滅

「リグ」を奪うこともジャックに阻止されてしまいます

しかしフュリオサの戦闘スキルの高さを認めたジャックは

シタデルから脱出させ「緑の地」に帰る協力をすることを約束

フュリオサをウォー・ボーイズの副隊長としますが

ディメンタスがガスタウンを崩壊させ

ジョーはディメンタスを攻撃することを決意

ジャックとフュリオサにバレット・ファームから武器を集めるよう命じます

バレット・ファームに向かったふたりとウォー・ボーイズですが

バレット・ファームはディメンタスに占領され

「リグ」は待ち伏せされていました

戦いに敗れ、砂漠に逃げたフュリオサとジャックでしたが

難なく捕まり、フュリオサは重傷を負った左腕を吊るされ

ジャックはバイクに引きずられ拷問されます

夕暮れになりディメンタスが引き返そうとしたとき

鎖に残っていたのは、食いちぎられた(星図の描かれた)左手首だけでした

逃げるフュリオサを見つめるひとりの男

次にフュリオサが目覚めた場所は、ウジ虫に腐った傷口を与えている洞窟

ジョーの奴隷たちが住むシタデルのふもとでした

フュリオサは頭を剃り、失った左腕の義手を作り

ジョーの戦争計画に加担します

ディメンタスを殺すのは、自分にさせてくれと

逃げたディメンタスをひとり追いかけるフュリオサ

翌朝テントでディメンタスが目を覚ますと水筒には穴

フュリオサを見つけたディメンタスは

なぜ寝込みを襲わない、さっさと殺せ

母親のことなど忘れていた

復讐しても元には戻らないとあざ笑う

迷いは消え、ディメンタスを撃つフュリオサ

しかしディメンタスは死んでおらず、シタデルに監禁され

フュリオサが長年隠し持っていた桃の木の種の養分にされていました

ジョーはフュリオサを大隊長昇進させ、新しいリグ」を与えると

フュリオサは物資輸送の前夜

ジョーの5人の妻たちをタンクに隠すのでした

ジョージ・ミラー御年79

5作目となるはずの次回作が、どうか製作されることを祈っています

 

 

【解説】映画.COMより

2015年に公開され、日本でも熱狂的なファンを生んだジョージ・ミラー監督のノンストップカーアクション「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。同作に登場した女戦士フュリオサの若き日の物語を描く。
世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ではシャーリーズ・セロンが演じ、強烈な存在感とカリスマ性で人気を博した女戦士フュリオサを、今作では「クイーンズ・ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」などで人気のアニヤ・テイラー=ジョイが新たに演じた。ディメンタス将軍役で「アベンジャーズ」「タイラー・レイク」シリーズのクリス・ヘムズワースが共演。1979年公開の第1作「マッドマックス」から「マッドマックス 怒りのデス・ロード」まで一貫してメガホンをとっている、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、今作でも監督・脚本を務めた。

2024年製作/148分/PG12/アメリ
原題:Furiosa: A Mad Max Saga
配給:ワーナー・ブラザース映画

 

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023)

原題は「Spider-Man: Across the Spider-Verse

2018年公開の「スパイダーマン:スパイダーバース」では

完全に新しいことをやってくれたと興奮しましたが

さらにパワーアップ、圧倒的な創造性の爆発を見せてくれたという感じ

それはもう始まってすぐ2倍速か?というくらいの速さで(笑)

実写から、レゴ、「スパイダーバース」で登場したスパイダーマンたちの他に

恐ろしい数のスパイダーマンが現れては消えていくという

莫大なイメージと、スピード感と、巧みな視覚演出

うちの息子もですが、今の若い人って映画を倍速で見るんですよね

普通の速さじゃ物足りないそうです

(オンラインゲームのスピードに慣れきってしまってる)

そういう若者のニーズにしっかり答えてると思います

それに対して残念なのが日本語字幕

面白くしたいという気持ちは伝わりますが

笑いのセンスが「親父ギャグ」みたいで寒すぎます

小学生でもわかる「OH!NO」の吹き出しに「マジで?」の字幕も

そのまま「オー!ノー」でよかったのでは

こういう大胆な映像表現の作品には、思い切って若い翻訳家か

若者の監修を入れたほうが正解でしょうね

逆におじさん、おばさんが見たら

理解できなくなってしまう可能性もありますが(笑)

ストーリーはメインの登場人物(それがまた多い 笑)の

ポジションさえしっかり掴んでおけば、複雑なことはありません

主人公のマイルズは15歳、理系の高校生

スパイダーマンの活動と勉強の両立が大変

さらに両親と(おたがい大切には思っているけど)意見があわず対立ばかり

父親の誕生日と警部昇進のお祝いのパーティの日に

「スポット」と名乗る空間に穴を開けるヴィランと戦い撃退はしたたものの

パーティに遅れたうえ、父親に口答えして外出禁止になってしまいます

(一瞬で約束は破られる 笑)

辛いときに思い出すのは、アース65に戻ってしまったグウェンのこと

そのグウェンがマイルズに会いに来てくれました

グウェンもまた、かって親友だったピーターが死んだとき

警察部長=父親に目撃されてしまい

父親からグウェンがピーターを殺したのではないかと嫌疑をかけられられ

苦しんでいたのです

でもグウェンがマイルズのいるアース1610にやって来た本当の理由は

アース928にある(国連のような)スパイダーマンの集合体

「スパイダー・ソサエティ」からの使命で

「スポット」を生み出したアルケマックス社の

粒子加速器の事故を探るためでした

マイルズは密かにグウェンを追い

アース5010にある「ムンバッタン」へのポータルを通過すると

「ムンバッタン」のホビー・ブラウンと知り合い

そこに現れたスポットと戦うことになり

マイルズはホビーのガールフレンド、ガヤトリの父親

シン警部を助けることに成功

それからマイルズはグウェンとホビーと共に

ソサエティ」のリーダー的存在でみあるミゲルに会いに向かうと

そこには幼い娘メイデイを連れたピーター・B・パーカーもいました

多元宇宙の保護を任務とするミゲルは

スパイダーマンの物語には決まりがあり

そのひとつが警察部長の死であり、シン警部を助けたことは

マルチバースを崩壊させる可能性があると教えられます

それは警察部長になる父親も殺されるということを意味していました

アース1610に戻って父親を助けようと逃げ出すマイルズ

マイルズを追うミゲルは

マイルズはスパイダーマンになるべきではなかった

異端分子だと告げます

マイルズ噛んだ蜘蛛はアルケマックス社の科学者

ジョナサン(後のスポット)の実験によって次元を超えたアース42の蜘蛛で

そのせいでアース42にはスパイダーマンがいなくなってしまった

しかもそのことはすべてのスパイダーマンが知っていました

知らなかったのはマイルズだけ

マイルズはマーゴ・ケスの助けを借りアース928を抜け出し

なんとかニューヨークにたどり着きますが

そこは犯罪で満ち溢れていて

死んだはずのアーロンおじさんが生きていて、父親は亡くなっていました

さらにもうひとりのマイルズが現れます

マイルズが戻ったのはもとの地球じゃない、アース42だったのです

ソサエティ」をクビになり、父親のいるアース65に送り返されたグウェン

父親は警察部長を辞めたと(父親が死ぬことから免れるということ)

ピーターの死も誤解だったとグウェンに謝り、ふたりは和解

そこにホビーから(多元宇宙を移動できる)ポータルウォッチが送られてきます

グウェンはマイルズを助けるため

スポットの攻撃からアース1610を守るため

かっての仲間ピーター(とメイデイ)、パヴィター、ホビー、マーゴ

スパイダーマンノワール、ペニー・パーカー、スパイダー・ハムを呼び

再びチームを結成したのでした

これは期待しかない終わりかた(笑)

次は必ず劇場に行きます

 

 

【解説】映画.COMより

ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレスを主人公に新たなスパイダーマンの誕生を描き、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した2018年製作のアニメーション映画「スパイダーマン スパイダーバース」の続編。
マルチバースを自由に移動できるようになった世界。マイルスは久々に姿を現したグウェンに導かれ、あるユニバースを訪れる。そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラやピーター・B・パーカーら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。
オリジナル英語版ではシャメイク・ムーアが主人公マイルス、ヘイリー・スタインフェルドがグウェン、オスカー・アイザックがミゲルの声を担当。第96回アカデミー長編アニメーション賞ノミネート。

2023年製作/140分/G/アメリ
原題:Spider-Man: Across the Spider-Verse
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

 

コントラクト・キラー(1990)

「ばかね、女はそんなこと気にしてないのよ」

原題はI Hired a Contract Killer 」(殺し屋を雇った男)

 

アキ・カウリスマキは、どんなに不幸でもたとえ死を描いても

見終えた後には、花束をプレゼントされた気分にさせてくれる

魔法使い

だから、少しでも「死にたい」と考えたことのある人は

真面目でプレッシャーに苦しんでいる人は

できればアキを、この作品を見て欲しい

アキは決してお説教なんかしない

言いたいのは

死ぬ前に、今までやらなかったことをやってみたほうがいい

それだけ

アキにしては珍しく、美男美女が主人公でロンドンが舞台

しかもクラッシュのジョー・ストラマーが1曲まるまる歌うというサービス付き

(神様、私の耳をどうか奇跡で治して 笑)

イギリスの水道局に勤めるフランス人のアンリ(ジャン=ピエール・レオ)は

仕事一筋な真面目な男

なのに人員整理のため突然解雇されてしまいます(移民というのが理由)

退職の記念にと金時計を渡される(しかも壊れている 笑)

家族も、友達もいるわけじゃない

アパートを解約し、雑貨店でロープを購入

首吊り自殺を図ったものの失敗

ガス自殺しようとオーブンに頭をつっこむと

ガス会社のストライキでガスが出ない


どうしようかと悩んでいるとき

新聞で「コントラクト・キラー」(殺人請負人)の広告を見ます

(昔からこういうビジネスはあったんだな)

アンリは広告を頼りに「コントラクト・キラー」のアジト

「bar Honolulu」に行き、元締めに会うと大金を払い

殺してほしい人物の写真を渡します(自分の写真)

そしてできるだけ早く殺してほしいと頼みます

これで間違いなく死ねる

バーに入って人生初のウィスキー

すぐに泥酔し(笑)人生初の煙草

相席になった不良親父がアンリに話しかけます

「人生は美しい」

「神の賜物だ」

「美しい花や動物が死を望むか?」

「俺たちだって仕事はない、けど幸せだ」

そこに花売りの女がやってきて、人生初のナンパ

女はマーガレット(マージ・クラーク)と名乗り、住所を教えられ

さらに額にキスまでされてアンリはメロメロ

その姿を窓越しに殺し屋(ケネス・コリー)が見ていました

人生初、女の部屋を訪ね

マーガレットに「“殺し”のキャンセルを」と言われ

「bar Honolulu」を訪れると、なんとバーは壊され瓦礫の山

殺し屋の解約ができない!

アンリがマーガレットのアパートに戻ると、そこには殺し屋がいて

マーガレットの花瓶ドロップで殺し屋が気を失っている最中に

ふたりはホテルに逃げることにします

そして人生初のセックス

アンリは今後どうするか悩み、ひとりバーに入ると

「bar Honolulu」にいたチンピラふたりを発見

ふたりをつけて宝石店に入ると

人生初、強盗と遭遇

ところがチンピラは強盗をアンリになすりつけ逃げてしまいます

人生初、指名手配されたアンリは

再び孤独に生きる決心をし

人生初、ハンバーガー店で働くことにします

しかしすぐにマーガレットに見つかり

「労働者階級に祖国なんて必要ないわ」と説得され

彼女と人生初、国外逃亡することを決意します

そこに殺し屋がやって来て、アンリがハンバーガー店から逃げると

アンリに追いついた殺し屋は「勝ったのは俺だ」と

アンリではなく自らに発砲したのでした

殺し屋は末期ガンでした

別れた妻と娘にお金を残すため、殺人請負人を引き受けたのです

だけど殺し屋は考えた

アンリを殺さず(マーガレットとの恋を実らせたい)

家族が報酬を受け取るためにはどうしたらいいか

 

どうせすぐ死ぬ、ならば自分が撃たれて死ねばいい

それで殺人成立

本作も相変わらずの棒読みで

心がこもっているとは思えないんだけど(笑)

金言がたくさん散りばめられていて、特に心に響いたのが

闇医者?が殺し屋に言ったセリフ

 

「神を信じなければ 地獄は存在しない」

 

自分の身の丈以上の理想や幸せを追いかけるから、人間は不幸になる

私にはそう聴こえました

強盗のチンピラふたりは逮捕され

アンリはマーガレットと再会

 

ハンバーガー店の店主が窓際タバコを吸いながら

眼鏡を拭いている姿で映画は幕を閉じます

たいした欲もないこのおっさんが

結局のところ,いちばん幸せだということなんだろうな(たぶん)

 

 

【解説】映画.COMより

フィンランドアキ・カウリスマキ監督によるサスペンスコメディ。ロンドンの水道局で働くフランス人レオ。突然解雇された彼は自殺を図ろうとするが死にきれず、新聞広告で知った殺し屋コントラクト・キラーに自分の殺害を依頼する。しかしその夜、彼はカフェで出会った花売り娘マーガレットに恋をしてしまい……。主演はフランスの名優ジャン=ピエール・レオ。元ザ・クラッシュジョー・ストラマーによるバーでの演奏シーンも必見。

1990年製作/80分/フィンランド・イギリス・ドイツ・スウェーデン合作
原題:I Hired a Contract Killer
配給:フランス映画社

 

 

黒猫・白猫(1998)

原題の「Црна мачка, бели мачор セルビア語)」(黒猫・白猫)は

劇中で時おり姿を見せるつがいのオス猫とメス猫のこと

舞台はブルガリア国境近くのセルビア東部

ドナウ川沿いにあるロマ族(ジプシー)の集落

どいつもこいつもアホばかりで、顔までコメディ

詰め込み放題、散らかし放題、誰かが死んでもお祭り騒ぎ

ラストは好きな者同士が結ばれたんだからハッピーエンドでしょ!

という(笑)

虐げられながらも、逞しく生きる人々への人間賛歌

ヴェネチア国際映画祭でも銀獅子賞を受賞していますが

 

見る人によってはそのグロテスクさと

常識を逸する物語性(自由奔放に生きることの筋違い)に

嫌悪感を抱かせてしまうのもクストリツァの特徴(笑)

密輸で金儲けしているマトコは仕事に失敗し

ベオグラードイスタンブールの間でガソリンを運ぶ列車を盗み

大金を稼ぐことを思いつきます

マトコはその資金を得るため、16歳になる息子のザレと一緒に

ジプシーのゴッドファーザー、ガルガ・ピティチに会いに行きます

 

マトコから彼の父親ザーリェが死んだと聞かされたゴッドファーザー

(病院に入院しているだけ)香典だと大金を渡します

しかしマトコはその金を、マフィアのダダンとの賭けでスッしまったうえ

列車強盗にも失敗、ダダンに莫大な借金をしてしまいます

ダダンは借金を肩代わりするかわり、息子のザレを

彼の小柄な妹ブバマラこと「てんとう虫」と結婚させるよう命じ

マトコはそれを承諾します

しかしザレはバーテンダー10歳年上の金髪女、アイダのことが好きでした

ザレの気持ちを知ってか、アイダはザレのことをからかってばかりいましたが

ザレが「てんとう虫」と結婚式を挙げることになって大ショック

 

一方の「てんとう虫」も自分には背の高い男が現れて

その男と愛し合って結婚するのだと大暴れ

結婚式の日が近づくと、退院したザレの祖父ザーリェが急死

喪に服すため結婚式を延期しなければならなくなると

ダダンはマトコに祖父の死体を屋根裏部屋に死体を隠せさせ

結婚式を断行することにします

たくさんの料理と酒が用意され、皆が喜び踊る中

誓いの言葉を交わさせられるふたり

そこでザレが「てんとう虫」に逃げ道を教えると

「てんとう虫」は贈り物の大きな箱に隠れ会場を抜け出します

その時、身長2メートルの孫グルガこと「グルガ大王」の運転で

ザーリェの墓参りに向かっていた「ゴッドファザー」

ところが途中で荷台のドアが開き「ゴッドファザー」は放り出され

「グルガ大王」が「ゴッドファザー」を探していると

木の幹に隠れていた「てんとう虫」を見つけます

たちまち恋に落ちるふたり

「てんとう虫」を探しに来たダダンたちは彼女を結婚式に連れ戻そうとしますが

「ゴッドファザー」は「てんとう虫」と孫を結婚させると宣言

「ゴッドファザー」の手下であるダダンは受け入れるしかありません

そして「ゴッドファザー」もまた発作を起こして死んでしまう

「グルガ大王」と「てんとう虫」

ザレとアイダのダブル結婚式が行われることになると

祖父(結婚式を延期させるため死んだふりをしていた)と

「ゴッドファザー」まで生き返り

「グルガ大王」と「てんとう虫」は馬車に乗って新婚旅行に

祖父は(マトコに奪われないよう)アコーディオンに隠していた大金をザレに渡し

ふたりはブルガリア行きの汽船に乗り込みます

(アイダの祖母に飲み物に下剤を入れられた)ダダンは

腹の痛みに耐え切れずトイレに駆け込むと

ザレとアイダが仕掛けた悪戯のせいで肥溜めに落ちてしまうのでした

 

ここまで広げた風呂敷を、綺麗に畳んで片づける腕前は見事なもの

ただダダンの汚いオチは、なくてよかったと思います(笑)

(身体を拭かれたアヒルさんがお気の毒すぎる)



【解説】映画.COMより

アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督が、ドナウ川沿岸に暮らすロマ一族の悲喜こもごもを生き生きと活写したコメディ。若者ザーレの恋を縦軸に、ザーレの父マトゥコと新興ヤクザが企てる列車強よかったですね(アヒルさんがお気の毒)

盗、ザーレの祖父ザーリェとマフィアの友情など、3世代の人々が織りなす物語を描く。騙しの天才を自称するマトゥコは、ロシアの密輸船から石油を買うが見事に騙されてしまう。金に困ったマ盗、ザーレの祖父ザーリェとマフィアの友情など、3世代の人々が織りなす物語を描く。騙しの天才を自称するマトゥコは、ロシアの密輸船から石油を買うが見事に騙されてしまう。金に困ったマトゥコだったが父ザーリェには見限られているため、起死回生の策として列車強盗を画策。新興ヤクザのダダンに協力を持ちかけるが……。1998年・第55回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。

1998年製作/130分/フランス・ドイツ・ユーゴスラビア合作
原題:Chat noir, chat blanc
配給:フランス映画社

 

関心領域(2024)

原題は「The Zone of Interest

300万人のユダヤ人を虐殺した(現在ではおよそ100万人強というのが通説

アウシュビッツの所長で戦犯、ルドルフ・ヘスとその家族がモデル

ここでの「関心領域」とアウシュビッツを隔てている壁のこと

そして壁1枚隔てたヘス家の豪邸と家族の暮らしのこと

すなわちアウシュビッツは「無関心領域」

というのが私の解釈

【ここから結末に触れています】

 

壁の向こうから聞こえてくる悲鳴にも、黒い煙にも無関心

ユダヤ人の使用人が食料品と一緒に届ける衣料品をみんなで分け

奥さんザンドラ・ヒュラーは毛皮のコートを身にまとい

ポケットに入っていた口紅をつけてみる

ユダヤ人の家政婦だったという母親を実家から呼び

豪華な食べ物や素晴らしい庭を手に入れたと披露する

指にはユダヤ人が歯磨きに隠していたというダイヤの指輪

彼らはずる賢いと笑う

ところが旦那に異動の命令が下され

奥さんは今の素晴らしい暮らしを捨てたくないから

旦那に単身赴任しろという

表向きは仲睦まじい夫婦で子煩悩な父親

しかし旦那は若いユダヤ人女性を部屋につれてこさせ

(奥さんとの寝室に戻る前に下半身を洗うリアルさよ)

 

奥さんは奥さんで、タバコ1本でユダヤ人の庭師に

相手をさせている様子

(ふたりを見て気まずそうにUターンする犬の演技素晴し

ユダヤ人のメイドは夜な夜な森に落ちている林檎を拾い

死の灰の山まで持っていき、林檎をばら撒いている

(強制労働させられているユダヤ人に食べさせるためだろう

川で遊んでいた子どもたちの体を洗わせたのは

汚染物質(毒ガスの素)が誤って流れ出てしまったということか

 

壁を囲むライラック剪伐を禁止するよう命令したのは

収容所(でやっていること)を隠すため

それらのことは無意識に子どもたちにも影響を与え

兄は幼い弟を植物の温室に閉じ込める

年老いた母親だけが、死の煙を我慢できず

逃げるように帰ってしまいます

 

アウシュビッツ内の描写はひとつもありません

収容されているユダヤ人もひとりも出てきません

親衛隊本部から(軍服の襟の髑髏マークが気になる)

再びアウシュビッツに戻れることになったと

作戦に自分の名前が付けられたことを喜び

妻に電話で報告するヘス

電話を終えた多と、ヘスが吐きそうになるのは

ユダヤ人に対するこれ以上ない嫌悪か

それとも強欲な妻対してか

この先さらなるジェノサイドを繰り返す自分になのか

そのアウシュビッツが今では世界遺産に認定され観光地化

多くのツアー客が訪れる「関心領域」になったという皮肉

 

そして、ネタニアフ首相イスラエルに対する

皮肉でもあるように思えてしまったのは

私だけなのでしょうか

人間が一番怖いのは、大義名分のため

自分たちが犯罪を侵しているという感覚が麻痺してしまうこと

 

エンタメ性こそ一切ありませんでしたが

私たちはそのしっかりとしたテーマを

読み取らなければいけないのです

 

 

【解説】映画.COMより

「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー監督がイギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品で、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く。
タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」は、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランドオシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉で、映画の中では強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしを描いていく。
カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリに輝き、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の5部門にノミネートされ、国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した。出演は「白いリボン」「ヒトラー暗殺、13分の誤算」のクリスティアン・フリーデル、主演作「落下の解剖学」が本作と同じ年のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したサンドラ・ヒュラー。

2023年製作/105分/G/アメリカ・イギリス・ポーランド合作
原題:The Zone of Interest
配給:ハピネットファントム・スタジオ

 

 

ハロルドとモード 少年は虹を渡る(1971)

「何をやっても構わない でも死んじゃだめだ 生きなさい」

原題は「Harold and Maude

モラルのかけらもない

全くもって軌道の外れたトンデモ映画

総合失調症患者の妄想か?思ったのですが

見終えたあとには、心に残るものがありました

今、生きづらいと思っている人に見てほしい

ベトナム戦争反戦というテーマを背景に

なんの説明も、余計なカットもない

ハル・アシュビーのセンスが光

異色のアメリカン・ニューシネマ

狂言自殺を繰り返す19歳のハロルド

困った母親は彼を心療内科に通わせたり

軍隊に入れようとしたり

結婚させようとお見合いで女性を紹介しても上手くいきません

自殺以外のハロルドの趣味は見ず知らずの人の葬儀に出ること

そこで自由奔放なトンデモおばあちゃん、モードと知り合います

79歳にしてヌードモデル(笑)

他人の車を勝手に乗り回し暴走

果ては取り締まりの白バイまで盗んで逃走

排気ガスで死に掛けている街路樹を森まで運んで植える

ハロルドがモードに「好きだ」と告白すると「私も好きよ」

「愛している」と言えば「私も愛している」

年だから、おばあちゃんだから

もっと若い女性を探しなさいなんて決して言わない

ハロルドの全てを受け入れてくれるのです

ハロルドがモードの手を握ると腕には番号

彼女がナチス強制収容所の生き残りだったことがわかります

さらにハロルドがなぜ死マネをするのか

学生時代に実験を誤り教室を爆破してしまい、家に逃げ帰ったところ

警官がやってきてハロルドが死んだと母親に伝えます

その時母親が倒れ込む姿を見て

自分が大切に思われていた事初めて知ったから

母親の愛を確認したかっただけ

でも母親はそれ以来ハロルドのことを嘘つきと

信じられなくなっていました

モードの80歳の誕生日にプロポーズするつもりのハロルド

しかしその日モードは死ぬ決意をしていました

自分の死をってハロルドに生きる尊さを伝えるために

「こんなに素晴らしい人生の終わりはいわ」

ジャガーを改造した霊柩車を走らせ崖から落ちるハロルド

やっぱり死んではいませんでした

でも今度は母親の愛を得るためじゃない

命を無駄にしてはいけないことを教えられたから

モードから贈られたバンジョーを弾きながら去っていくハロルド

たくさんの金言が散りばめられていてそして笑え

こういう破天荒な映画が、今はすっかりなくなってしまいましたね(笑)

お気に入りにさせていただきます

 

 

【解説】映画.COMより

さらば冬のかもめ」「シャンプー」「帰郷」といった名作で知られるハル・アシュビーの監督第2作。広大な邸宅に住み、ほしいものは何でも手に入る立場にありながら、死に取りつかれた自殺マニアの少年ハロルドは、ある時、80歳の老女モードと出会う。生きる喜びに満ちていたモードとハロルドはやがて互いに愛し合うようになるが……。ふたりの交流を通じて、愛すること、生きることの素晴らしさを描いた青春映画。日本でも上演された大ヒット舞台劇の映画化作品。1972年日本初公開。2010年「ZIGGY FILMS '70S '70年代アメリカ映画伝説」でリバイバル上映。

1971年製作/91分/アメリ
原題:Harold And Maude
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア

 

青春18×2 君へと続く道 (2024)

原題は「青春18×2 通往有你的旅程」 ( 青春18×2 あなたへの旅)

 

スクーターの二人乗り、映画とポップコーン

(劇場の女の子がほぼポップコーン食べていたのはこのせいか 笑)

片方づつのイヤフォン、手繋ぎ、約束、突然の別れ

あまりにもベタでストレートな純愛もの、オチも見えてしまいますが

そのわかりやすさが成功した良い例だと思います

終盤はガチで泣きそうになりました(笑)

まず、見せ方がうまい

主人公のジミーが18歳の夏の台湾と

18年後の鉄道で旅する初春の日本が交差して現われ

そこに住む人々の暮らしと出会い、季節の風物詩

思わず旅に出たくなります(笑)

 

そしてヒロインを演じた清原果耶ちゃんの魅力

明るくて社交的で才能もある「綺麗なおねいさん」

いっぽうで小悪魔的にジミーを翻弄し、ミステリアス

さらに彼女を待ち受けている過酷な運命

ジミー役の許光漢(シュー・グァンハン )が

果耶ちゃんより11歳も年上だったのは驚きでした

果耶ちゃんより演技が下手な演技をしていたのね

日本語は撮影の数週間前から練習したそうです

ゲーム会社の創業者兼社長であるジミーは

取締役会から解任され、それに抗議する動画が拡散

18年ぶりに故郷の台南に戻り、部屋の引き出しを開けると

古い映画のチケットと日本からの絵葉書を見つけます

差出人は「アミ」

 

ジミーは長年の友人で新社長になったアーロンに頼まれ

最後の仕事としてプレゼンのため日本へ同行します

プレゼンが終了すると、クライアントからの花見の誘いを断り

ひとり旅をするジミー

 

新宿のゴールデン街のバーで飲んだ翌日

品川駅から「スラムダンク」の聖地「鎌倉高校前駅」を巡礼し

由比ヶ浜へ向う

それから電車に乗りイヤフォンでMaydayの「志明と春暁」を聴くと

大学受験が終わった高校生最後の夏休みを思い出します

携帯電話の目覚ましの「志明と春暁」が鳴り、慌てて起きるものの

日本人の店長、島田が営むカラオケ店「神戸」のアルバイトを

いつものように遅刻して怒られ

文句を言いながら客に食事やら飲み物を運びます

 

そこに「財布をなくしたから雇って欲しい」とやってきたのが

自称バックパッカーのアミでした

ジミーはすぐに彼女のことを好きになり

島田は少し日本語が離せるジミーにアミの世話を頼みますが

(「スラムダンク」が好きで日本語を勉強している)

陽気なアミはたちまち人気者となり、カラオケ店は大繁盛

シャイなジミーは、アミとの距離を縮めることができません

アミの歓迎会が行われ、旅の目的を聞かれると

「何が起こるかわからないのが旅行の楽しいところ」

さらに自作の絵本を取り出し、絵を描くことだと伝えます

ジミーはカラオケ店の壁画を描き直すことを提案し、従業員一同賛成

島田と同僚のアー・ウェイは酔いつぶれ、ジミーがアミを送っていくとこになります

 

スクーターの二人乗りに憧れていたというアミを

ジミーは武聖夜市、東門シティサークル、四草橋

大崗山の朝峰寺展望台の夜景に案内します

そこでふたりは将来を語り、やりたいことがまだ分からないと言うジミーに

アミは夢が見つかるまで探すよう励まします

長野県松本市にある縄手街商店街にやってきたジミー

「一休みはより長い旅のために」という看板が書かれた居酒屋に入ると

なんと店主は同じ台南出身、店を早じまいし松本城を案内してくれます

ジミーの目的地(アミが送ってきた絵葉書の住所)を教えてもらい

逆方向だと教える店主

いつも遠回りばかりしてしまうと答えるジミー

 

翌日、飯山線でネカフェ泊りで貧乏旅行をしているという

18歳の大学生コージ(道枝駿佑)と出会います

コージはとにかく明るい性格で「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」

川端康成です」と大はしゃぎ(よく川端康成を知ってたな←失礼)

ジミーは静かに「ラブレターだ」と呟きます

岩井俊二監督の「Love Letter」

 

上神宮駅と上金川駅の間で途中下車し雪合戦するふたり

そこでジミーはコージに「Love Letter」の話しをします

 

アミがカラオケ店の壁画を描いていると、酔っ払った客が落書き

怒ったジミーは客を殴ってしまいます(逆に殴り倒される)

ジミーは島田に叱られたものの、アミは「かっこよかったよ」と

ジミーに「あなたはとてもハンサムです」の中国語を教えてもらいます

そこで皆に理想のタイプを聞かれたアミが「4つ年上の男性」と答えると

ジミーは「年下で髪は短い」とお互い相手を真逆の条件を出します

 

そんなジミーに「これでアミちゃんを誘え」と

映画のチケットを2枚渡すアー・ウェイ

ジミーがアミの部屋まで行くと、アミは「デートだね」と喜びます

ジミーは夜遅くまで洋服選びと髪のセット

ネットでは女の子と手を繋ぐ方法を検索(笑)

案の定デートの日は遅刻、いつものTシャツなうえ髪はボサボサ

なんとか映画に間に合い、ポップコーンを買って席に座ったものの

手を繋ぐどころか、映画に夢中になってしまった

 

コージと別れた後、新潟方面に向うジミー

「Love Letter」エンドロールの後、我に返ったジミーは

号泣しているアミを見ます

カラオケ店のテラスで彼女を慰めようと勇気を出して手を握りますが

アミはその手を振りほどき、部屋に戻ってしまうのでした

長岡駅に着いたジミーはインターネットカフェを見つけると

コージから「ぜひ体験してほしい」と勧められたことを思い出し入店します

客はほかになく店員のユキコ(黒木華)はゲームをプレイ

ジミーがそのゲームを開発者だというと

ユキコは隠れアイテムを教えてもらいゲームをクリア

 

ジミーがスカイランタン・フェスティバルのポスターを見つけると

ユキコはジミーを津南町まで車で連れて行きます

ぎりぎり間に合って、それぞれ願い事を唱えるふたり

映画に行った日のあと、アミは島田たちに日本に帰ると伝えます

「彼氏のためなのか」と、彼女を避けるようになるジミー

アミは台南での思い出の風景や

カラオケ店の仲間たちの姿を描いた壁画を完成させると

荷造りし、借りていた部屋を片づけていました

 

落ち込むジミーに父親は、新しい友達が去っていくにあたり

やりたいことは何でもやって、後悔しないようにと伝えます

いつかアミが「願いを叶えるために」行きたいと言っていたスカイランタン

ジミーはアミをフェスティバルに誘い、電車で一緒にMr.Childrenを聴く

「行かないで」と呟くジミーに、アミは聞こえないふりをします

平渓線十分駅の人ごみの中を歩きだし

アミの手を握るジミー、アミも握り返し

天燈籠を受け取ると両端に願い事を書く

「やりたいことがみつかるように」

「ずっと旅が続きますように」

夢が叶ったら再会することを約束して抱き合うふたり

そうしてアミは皆に見送られ日本に帰ってしまいます

 

ユキコに「会えるといいね」と励まされ、やって来た福島

 

アミの故郷が福島と知った時点で、彼女は死んでいるのではないかと

誰もが思うわけですが、死因は震災ではありませんでした

只見駅に到着したジミーが、男性に絵葉書を見せて道を尋ねると

中里さん(松重豊)はすぐに「アミちゃんの友だちだね」と

ジミーをアミの母親優子(黒木瞳)のところに送ってくれます

 

「来るのが遅くなりました」

「どうぞあの子に顔を見せてやってください」

遺影に手を合わせるジミー

優子にアミの部屋に案内され、アミの描いた絵本を「あなたに」と受け取る

アミは重度の心筋症で、死ぬ前にどうしても念願だった旅に出た

だけどもう一度生きようと、治療をやり直すため日本に帰国したのです

台湾で待つ4歳年下のシャイなボーイフレンドのために

 

そこから走馬灯のように、伏線が解かれていきます

 

ジミーは、アミが死んでいたことを知っていたのです

まるで自分の成功と引き換えたように愛する人を失ってしまった

それからのジミーは荒れ、仕事だけに没頭するようになり

やがて全て失ってしまいます

 

でもアミが必死で生きようとしていたことを知り

自分ももういちどゼロからやり直す決心をするのです

男っていうのはこうやって

過去を整理しないと先に進めない動物なんだな(笑)

 

桜が満開の隅田公園を見たあと

台南に戻りカラオケ店跡のボロボロになった壁画を指でなぞる

やっとアミにさよならを言えたジミーは

新たなオフィスで新たな仕事を探すことにするのでした

私的に黒木華ちゃんのパートは福島の後のほうが

良かったような気がしましたね

アミの実家に別れを告げたジミーが

ネカフェでスカイランタン・フェスティバルのポスターを見つける

ユキコの「男作るぞー」に、ジミーが自分の顔を指さすのです

 

まあ、それもベタなんですけど(笑)

恋に時間は関係ありませんから

 

 

【解説】映画.COMより

「新聞記者」「余命10年」の藤井道人が監督・脚本を手がけた日台合作のラブストーリー。ジミー・ライの紀行エッセイ「青春18×2 日本漫車流浪記」を映画化し、18年前の台湾と現在の日本を舞台に、国境と時を超えてつながる初恋の記憶をエモーショナルに描き出す。
18年前の台湾。高校3年生のジミーはアルバイト先で4歳上の日本人バックパッカー、アミと出会い、天真爛漫でどこかミステリアスな彼女に恋心を抱く。アミもまた、ある秘密を抱えながらもジミーにひかれていく。しかし突然アミの帰国が決まり、意気消沈するジミーにアミはある約束を提案する。
現在。人生につまずいて久々に帰郷した36歳のジミーは、かつてアミから届いたハガキを再び手に取り、あの日の約束を果たすべく日本へ向けて旅立つ。東京から鎌倉・長野・新潟、そしてアミの故郷・福島へと向かう道中で、彼女と過ごした日々の記憶がジミーの心によみがえる。
台湾の人気俳優シュー・グァンハンがジミー、清原果耶がアミ役でそれぞれ主演。「ブエノスアイレス」などの俳優チャン・チェンがエグゼクティブプロデューサーを務めた。

2024年製作/123分/G/日本・台湾合作

配給:ハピネットファントム・スタジオ