ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー(2023)

アートは必要な人の所に 必要な時に訪れるだけだ」

原題はAmerican Symphony

【ジョン・バティステ】

1986年生まれのルイジアナ州出身のミュージシャン
ジャズバンドをやりながら、、クラシックのピアノレッスンも受け
ジュリアード音楽院修士課程でピアノの学士号と修士号を取得

それまでは一部のジャズファンからの人気があったものの

人気テレビ番組に出演したことでメジャーになり

2020年のディズニー映画「ソウルフル・ワールド」の共同作曲で注目を集め

2022年のグラミー賞では11部門でノミネートされ5部門で受賞

ラルフ・ローレン」や「バーニーズ」のアンバサダー

コーチの2020年秋冬コレクションのブランドアイコン

ファッション界でも注目されているアーティスト

【スレイカ・ジャワド】

ニューヨーク生まれ

チュニジア出身のイスラム教の父親と、スイス出身のカトリック教徒の母親とのハーフ

コントラバス奏者としてジュリアード音楽院を卒業した後

プリンストン大学に通い、近東研究とジェンダー研究で学士号を取得

2011年に22歳で骨髄性白血病と診断され骨髄移植

2012年からニューヨークタイムズ紙に掲載されたコラムはエミー賞を受賞

2020年にはベニントン大学で執筆と文学の修士号を所得

2021年に白血病が再発、2回目の骨髄移植を受けます

ふたりは10代の頃キャンプで知り合い、2014年から交際

2022年2月、極秘結婚していたことが明らかになります

グラミー賞受賞後、バティステが妻スレイカさんの闘病を支えながら

交響曲アメリカン・シンフォオニー」を作曲し

カーネギー・ホールで演奏するまでの夫婦の1年間を追ったドキュメンタリー

私がAPD聴覚情報処理障害)になったのが2019年ということもあって

バティステが「何者であるか」を知りませんでした

いわゆる天才と呼ばれる音楽家のひとりなのでしょうね

冒頭はインタビューによって、彼のドアップの顔が映し出され

セレブの自慢話とも思える輝かしいキャリアが語られます

しかし人気も売り上げも絶頂期と同時期に

10年前に骨髄移植した妻のスレイカさんの白血病が再発

やがてバティステのこれまでの人生が決して順風満帆だったわけでなく

マイノリティとしての苦労が浮かび上がってきます

彼が(子どもが使う)鍵盤ハーモニカで演奏したり

(どのように人々と音楽でつながることができるか探求するため)

路上や地下鉄の電車内でライブすることが

ジュリアード音楽院からも音楽批評家からも理解されない

精神病院に行けとまで言われたそうです

多民族的音楽を取り入れた交響曲

アメリカン・シンフォニー」製作に対する

クラシック界の冷ややかな反応も相当なもの

有名になればなるほどアンチも増える

(本番中の停電によるトラブルは関係者の仕業かと思った)

ファンの期待に応えようとするプレッシャーもあるのでしょう

舞台では陽気に振る舞っても、やはり腐心してしまう

眠れない夜もしばしば

でももっと辛いのはスレイカさんのほう

重圧になど負けていられないのです

製作総指揮にはオバマ前大統領夫妻も名を連ねていて

映画としてのエンタメ性は一切ないのですが(笑)

見せ場と言うのがこのふたりの「思慮深さ」なのでしょうね

痛みや、怒りや、苦しさを決して他人にぶつけない

困難な主題に、ただただ辛抱強く立ち向かっていく

スターの輝かしい表舞台ではなく、あくまで裏舞台へのアクセスなのです

結婚式は革ジャン、結婚指輪は緑のクラフトモール

何億円の指輪だって買えるのに(笑)

そんなものに価値がないことを知っている

そして地味な創作活動に大胆な構成、入念な練習とリハーサルを重ね

ついに交響曲アメリカン・シンフォニー」 が完成

カーネギーホールでのコンサートで

私たちは音楽の力で世界が変わってゆく瞬間を目撃します

「夜は必ず乗り越えられる」

暗いいばらの道を歩き続けてきたバティステの

未来を明るくしていこうとする思いが届いたのです


【解説】Filmarksより

2022年の初め、グラミー賞で計11部門のノミネーションを受け、最優秀アルバム賞を受賞したジョン・バティステはその年の最も有名なアーティストになったことを自覚します。その大成功の真っただ中、多楽器演奏家のジョンはこれまでで最も壮大な挑戦に没頭します。その挑戦とは、世界中に分散するさまざまな音楽をひとつにまとめ、シンフォニーの伝統形式を心躍るほどに再構築したオリジナルの交響曲アメリカン・シンフォオニー」を作曲して、かの有名なカーネギー・ホールで演奏すること。ところが、この類まれな道のりは、彼の人生の伴侶であるベストセラー作家スレイカ・ジャワードの体内で、長い間鳴りを潜めていたガンが再発したことが発覚し、頓挫してしまうことに...。「ジョン・バティステ: アメリカン・シンフォニー」は心の奥底に響く感動作。アカデミー賞ノミネートやエミー賞受賞歴を持つ監督マシュー・ハイネマン (「カルテル・ランド」「ニューヨーク 第1波」「米陸軍グリーンベレー 2021」) が、人生の岐路に立つ2人の比類なきアーティストの姿を、芸術と愛と、創作プロセスについての深い瞑想と共に映し出します

 

ヘル・レイザー(1987)

原題はHellraiser」(地獄を引き起こす者)

クライヴ・バーカーが自身の原作を監督したホラー作品
B級低予算ながら、素人監督としてなかなかの出来栄え

皮膚感覚に訴える生々しい特殊効果と

痛みを姿で表したというクリーチャーのデザイン

今となっては見慣れてしまったものの(笑)

怖いを超えたビジュアル系に

グッドデザイン賞を差し上げたいと思います(笑)

ストーリーはパズルボックス(ルマルシャンの箱)が開けられたことによって

異界から現れた魔導士(セノバイト)たちが

極限の快楽を得るための代償として、苦痛を与え肉体を奪うというもの

決して無差別に人間を襲うものではなく

(無差別に男を殺そうとするのは愛人の女のほう)

人間の悪事を悪魔のせいにするなって話ですよね(笑)

ロッコ、究極の快楽を求めていたフランク・コットン

異界の快楽の領域の扉を開くと言われているパズルボックス手に入れます

自宅に戻りパズルを解くと鉤状の鎖に身体は引き裂かれてしまい

魔導士が現れパズルをリセット、部屋はの状態に戻ります

数年後、フランクの弟ラリー(アンドリュー・ロビンソン)と

二番目の妻ジュリアがその家に引っ越してきます

ジュリアはフランクの寝室で彼が女たちと交わっている写真を見つけ

その中の1枚を破って隠します

ジュリアは再婚してすぐの頃、フランクと不倫し

彼とのサドマゾヒズムなセックスを今でも忘れることが出来ずにいました

さらにラリーの連れ子で10代の娘

カースティ(アシュレイ・ローレンス)とはギクシャクした関係

ラリーがベッドマットを運んでいるとき、誤って手を切ってしま

流れた血が屋根裏の床うと肉の残骸が動き出し

その夜、血を吸い(骨格だけ)蘇ったフランクがジュリアの前に姿を現します

(しかもほふく前進で 笑)

ジュリアはフランクと一緒に逃げるため

彼の体を元に戻すことに協力することにします

ジュリアはバーで知り合った男たちを次々屋根裏部屋に連れ込むと

(その姿をカースティが見てしまう)

致命傷を負わせフランク彼らの血と内臓を吸い取らせるのです

ジュリアをつけて屋根裏部屋にきたカースティは

男の無残な死体と、ずる剥けのフランクおじさんを見つけます

彼女が床に落ちていたパズルボックス拾うとフランクおじさんは動揺し

重要な箱だと気付いたカースティは箱を逃げ出しますが

途中で倒れてしまいます

病院で目覚めたカースティパズルボックスくと、4人の魔導士が現れ

壁に出来た裂け目に逃げこんだカースティを

エンジニアと呼ばれるモンスターが襲います

魔導士のリーダー、リードセノバイト(ダグ・ブラッドレイ )

(もともと名前はなく「ピンヘッド」はファンがつけた愛称らしい)

自分たちに痛みと快楽の区別はなく、天使と悪魔の両方として認識され

異界からの「探検家」でもあると説明すると(意外とお行儀がいい 笑)

カースティを異界に連れ去ろうとします

カースティは箱を開けたことは偶然で何も知らなかったと

そしてフランクが異界から逃げ出したことを教えます

ピンヘッドはカースティの自白が真実なら、彼女を助け

代わりにフランクを捕えるため彼の居場所に案内するように言います

(意外と物分かりもいい 笑)

家に戻ったカースティは父親にすべて説明しようとすると

父親は「フランクおじさんはすでに殺害した」と

カースティをジュリアと共に屋根裏部屋に連れて行くと

皮をむかれた死体を「フランクおじさん」だと説明します

フランクが死んだと聞かされた魔導士は

代わりにフランクを殺した人間を引き渡すように命令しますが

カースティは父親を魔導士に差し出すことはできませんでした

しかしカースティがボーイフレンドのもとに行こうと父親と揉み合うと

彼は父親の皮を被ったフランクおじさんでした

フランクおじさんは皮膚を奪うため父親を殺したことを自供し

今度は若返りのためカースティの血を欲しがります

しかし誤ってジュリアを殺してしまい(ちゃっかり生気は吸い取る)

フランクおじさんが再びカースティを殺そうとしたとき

フランクおじさんの前に鉤付きの鎖が現われ

彼の肉体はバラバラになり消えてしまいます

次に魔導士たちがカースティを襲おうとすると

カースティはパズルボックス逆の動作で閉めることに成功

(ボックスの操作をいつ覚えた? 笑)

魔導士たちは異界に戻り封印されます

(ひとり瓦礫に埋もれたまま取り残されているよ 笑 )

そこにボーイフレンドのスティーブが到着し

倒壊していく家からカースティを救出します

カースティがパズルボックスを燃えている薪に投げ込むと

浮浪者の老人がやって来て炎から箱を拾い

翼のある骸骨となって空へ飛び去っていきます

そして再びモロッコ

パズルボックスを手に入れるため、別の男がやって来るのでした

 

 

【解説】映画.COMより

ホラー作家のクライブ・バーガーが自らの著作「ヘルバウント・ハート」を映画化し、1980年代ホラーを代表する一作となった恐怖映画。
極限の快楽をもたらすという謎のパズルボックスを手に入れたフランクは、そのパズルを解いたことで異界から現れた魔道士たちに八つ裂きにされ、肉体を失った。それから数年後、空き家となっていたフランクの家に、弟のラリーが新妻のジュリアと娘のカースティとともに引っ越してくる。そして、ラリーが怪我をして流した血によってフランクの魂は覚醒し、おどろおどろしい姿となって現れる。実はフランクとジュリアはかつて愛人関係にあり、フランクはジュリアを使って家に男たちを誘いこみ、その血肉を食らって肉体の完全な復活をもくろむ。その企みを知ったカースティは、パズルボックスを奪って逃げるが……。
魔道士と対峙するヒロイン、カースティ役には本作の後もシリーズ3作品に出演することになるアシュレイ・ローレンス。カースティの父ラリー役に「ダーティハリー」の悪役で知られるアンドリュー・ロビンソン、カースティの継母であるジュリア役にクレア・ヒギンズ、まがまがしくフェティッシュな造形でホラーアイコンにもなった魔道士ピンヘッド役をダグ・ブラッドレイがそれぞれ演じた。

1987年製作/94分/PG12/イギリス
原題:Hellraiser
配給:フリークスムービー
劇場公開日:2023年12月8日

その他の公開日:1988年3月(日本初公開)

 

戦慄の絆(1988)

原題はDead Ringers 瓜二つの者たち

 

1975年ニューヨークで開業していた一卵性双生児産婦人科

マーカス兄弟が共に診療室で死亡していたという

精神疾患、楽物離脱、自殺とみられているが原因は不明)

実際にあった事件をベースに創作

カナダ、トロント

少年時代のエリオットとビバリーの一卵性双生児のマントル兄弟は

同じ服装で身なりを整え、常にセックスについて話し合い

人間の性交を魚の性交と比較したり

人体模型を使って子宮や卵巣の仕組みを調べたりしています

ついには玄関に座っている女の子に「セックスしよう」

「これは実験なんだ」と提案し「くたばれ、変態ども!」と罵られます

性への興味が昂(こう)じすぎて、内臓側にいっちゃったという(笑)

(これをギャグとして受け止めるのはオマエだけ)

成長し共にケンブリッジ大学医学部に進学した

エリオットとビバリージェレミー・アイアンズ二役)

ふたりの優秀さは教授も認めるほどですが

ビバリーの発明した医療器具「マントル開口器」は

解剖で使うのはいいが、生きている人間の診察には使えないと釘を刺します

(実際でも兄弟に危険性を感じた教授は、ふたりを別々の病院に就職させたそう)

その後、兄弟はトロント不妊治療専門のクリニックを開業

この頃にはふたりの性格にはっきり差がでていて

兄のエリオットは社交的で営業能力に長け、女好き

弟のビバリーは内向的で40歳過ぎても童貞のまま

兄に依存している一方で、高い技術力と熱心な研究で

婦人科の名医として有名になります

ビバリーの評判を聞きつけたテレビドラマの人気女優

クレア(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)も不妊治療に来たひとり

クレアは子宮口は3つ、3つの小部屋があるという特殊な子宮の持ち主でした

(そのかわり妊娠はできない)

その話を聞いたエリオットはクレアの子宮に興味を持ち

ビバリーになりすまして彼女に会いに行きます

そして彼女の子宮がいかに芸術的で素晴らしいかを称え

見事彼女を落とします

翌日ビバリーが診察結果を伝えるためクレアを訪れると

突然抱きつかれてしまいます

クレアはいままでの乱れた生活を打ち明けると、ビバリーをベッドに誘い

(仕事や不妊のストレスから抗うつ剤睡眠薬を常用している)

ビバリーのほうもクレア(それとも子宮)を本気で愛してしまい

一緒に暮らすようになります

ジェレミー・アイアンズのひとり二役、全く違和感ないんですけど(笑)

いったいどうやって撮影したのでしょう

カメラはピーター・サシツキー

しかし、知人からビバリーが双子で「兄弟は入れ替わっている」と聞いたクレアは

兄弟と関係を持ったのかと怒り、ビバリーの元を去っていきます

寂しくて眠れなくなったビバリー

彼女の残した抗うつ剤睡眠薬を飲み、現実逃避するようになります

しばらくして偶然クレアと再会したヒバリーは、彼女に謝罪と助けを求めます

ふたりは再びベッドを共にし、関係は修復したものの

クレアがドラマ撮影のため、10週間もの間ロケで出張することになります

クレアがいない間、ヒバリーは

彼女が彼女のマネージャー(ホテルの部屋に電話したら彼が出たため)と

浮気していると思い込み錯乱

自分がデザインした医療器具(凶器)を金属作家に作らせ

その器具をライブ中継中の手術で使用し、患者が大量出血して大騒ぎ

ヒバリーはエリオットと彼の愛人ケイリー(ハイジ・フォン・パレスク)の前で

気を失ってしまいます

エリオットはビバリーの薬物中毒を治療をするため

クレアと別れるよう言い、弟を連れ戻し一緒に過ごします

しかしロケから帰ったクレアから電話をもらったビバリー

浮気が誤解だったと知り、早速彼女に会いに行き器具を見せると

「統合双生児を分離する器具」だと説明するのです

クレアはビバリーの様子がおかしいことに気付きますが

ビバリーは「また戻る兄の待つ部屋に帰ってしまいます

部屋に到着すると、エリオットがバスルームでずぶ濡れで倒れていました

ビバリーエリオットを診察台まで運ぶと

統合双生児の分離手術をすることを説明し

エリオット喜んでそれにうと言います

翌朝目を覚ましたビバリーは、腹を裂かれて死んでいる兄を見ます

急いでビバリーは荷造りをし、外に出てクレアに電話するものの何も話さない

ふたたび部屋に戻るとエリオットの死体に抱きつき

自らも息絶えるのでした

彼らにとって子宮とは、創造主であり宇宙

だからこそ飽くなき探求心を奮い立たせてきたのです

そこに子宮に3つの入り口と部屋を持つ女性が現れた

それは兄弟と女性が共有できるユートピア

でも弟の、嫉妬と独占欲が彼を狂わせてしまった

身体は一卵性双生児でも、精神(心)は統合双生児(シャム双生児

弟は兄と結合した心を肉体によって分離しようとしたものの失敗

(男性には創造元の子宮がない)

結局両方死んでしまったのです



 

【解説】ウィキペディアより

戦慄の絆』(せんりつのきずな 原題:Dead Ringers)は、1988年制作のカナダのサイコ・スリラー映画。デヴィッド・クローネンバーグ監督。ジェレミー・アイアンズ、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド出演。

一組の一卵性双生児の産婦人科医の兄弟が1人の美人女優に出会った事から、アイデンティティーの均衡性を崩して起こる悲劇を描く。双児の産婦人科医が共に診療室で死亡していたという、実際にあった事件からインスピレーションを得て製作された。

当初、原題は「Twins」とする予定だったが、同時期にアイヴァン・ライトマン監督の映画『ツインズ』が制作されており、ライトマン側からタイトル変更の要請があったため、英語で「瓜二つの者たち」を意味する現在のタイトルに変更となった[2]。

原作の小説(バリ・ウッド、ジャック・ギースランド著)は『双生児』の題名で早川書房から刊行され(Hayakawa novels、1979年11月)、のち『戦慄の絆』と改題されてハヤカワ文庫NVモダンホラー・セレクションから刊行された(1989年3月)。

2023年、全6話のシリーズとしてリメイクされ、Amazon Prime Videoで配信。主演のレイチェル・ワイズが製作総指揮も務める。

 

 

ロブスター(2015)

原題は「The Lobster」

冒頭、雨の中車が牧場に着くと女が降りて一頭のロバを撃ち殺します

その後この「ロバを撃った女」は一度も登場しません

場面は切り替わり、主人公デヴィッドコリン・ファレル)の面接シーン

デヴィッドは妻が別の男と出て行ったため、ホテルに連行され

ホテルの支配人(オリヴィア・コールマンから

45日以内に新しいパートナーを見つけなければ

動物に変身させられると説明されます

デヴィッドの飼っている犬は兄のボブで、事情をすぐに察します

そして、もしパートナーを見つけられなければ

何の動物になりたいかという質問に

「ロブスターになるつもりです」と答えるのです

「100年以上生きるし、死ぬまで子孫を残せる」からと

ここ(近未来)では、少子化対策のため結婚することを強要されられ

(西洋のカップル文化という背景もあるのだろう)

パートナーを見つけられない人間は

動物にさせられることが法的に義務付けられているのです

さらに好意をもった相手と結ばれるためには

「共通点」がなければいけないというルールがあります

ホテルは一見リゾート地のようで

男女が出会えるようパーティやスポーツジムがあり

メイドによる男性の股間にお尻を擦りつける儀式や

(にもかかわらず射精と自慰は許されず、バレたらトースターで手を焼かれる)

カップルのほうがいかに利点が多いかという(ふざけた)レクチャーまであります

デヴィッドは「滑舌の悪い男」(ジョン・C・ライリー) と

「足の悪い男」(ベン・ウィショー)と親しくなります

(そこで暮らす人々は名前ではなく、あだ名(身体の特徴)で呼ばれる)

さらに狩りで森に潜むレジスタンス(独身者)を

ひとり殺すごとに寿命(動物になる日)が1日づつ延びます

「冷血な女」は最も優れたハンターで何日も寿命を延ばしていました

(若くて可愛い)「鼻血を出す女」を気に入った「足の悪い男」は

自分の鼻を打ち付け鼻血を出し話しかけます

ちょっと悔しいデヴィッドは「鼻血を出す女」に

「足の悪い男」の鼻血は嘘だと打ち明けますが

彼女にも動物にされてしまうという焦りがありました

(髪の毛が自慢の友人は馬になってしまった)

ふたりは皆の前でカップルになったことを発表され、次のステップに進みます

そこでデヴィッドも「足の悪い男」のようにうまくやろうと

美人だしショートカットが好きだしという、見た目だけの理由で

「冷血な女」に近づき、自分も冷徹残忍な男のふりをします

(言い寄ってきた太めのオバはスルーして自殺にまで追いやる)

「冷血な女」とカップルとして認められ、同じ部屋で過ごすようになりますが

ある朝、女が彼の犬(兄)を足で蹴り殺してしまいました

ディビットは何も感じていないふりをしましたが

堪えきれず流した涙を女に見られてしまいます

ディビットの冷酷さが噓だとわかり、女は「許さない!」とビンタ

兄を殺された怒りでキレたディビットは彼女を麻酔銃で打ち

動物に変えられる部屋に閉じ込め逃げようとすると

メイドが助けてくれました(実はレジスタンスのスパイだった)

ひとりで寒さをしのいでいると、独身者のコミュニティに救われ

リーダー(レア・セドゥ)はディビットを仲間にすることを承諾します

パートナーを見つけるというプレッシャーはなくなったものの

ここでもやはり厳しいルールに縛られていました

好きな音楽を聞いてもいいかわり「ヘッドフォン」着用

ダンスを踊っても誰かと手を取り合うものではない

コミュニケーションは自由だけど、恋愛はあくまで禁止

破った場合は厳しい制裁が待っています

さらに独身者たちは、ホテルに乗り込みカップルたちを襲撃

銃を突きつけ、恐怖で化けの皮がはがれ落ちた無様な姿を見せつけ

「共通点」が「愛の証」ではないことを証明するのです

そんな中、ディビットは「近視の女」(レイチェル・ワイズ)に

惹かれるものを感じます

リーダーは度々森を出て(動物にされないため)カップルを装い

街で必要な買い物をしたり、両親に会いに行っていました

そのとき「近視の女」のパートナー役に選ばれたのがディビット

お互い好意を寄せ合うようになるものの

コミュニティのルールを忘れたわけではありません

それでもディビットが彼女に本気になってしまったのは

私は近視と言う「共通点」ではなかったと思います

 

「背中の手の届かない所に薬を塗りましょうか」

そのひとことに心を奪われてしまったのです

 

ふたりは、周囲にばれないよう

秘密のサイン(手信号)を生み出し、会話するようになります

しかし(リーダーの実家の)音楽会で熱いキス交わしてしまい

不審に思ったリーダーは、デイビッドの日記を見つけると

「近視の女」と逃亡する計画を知ります

そこでリーダーは「近視の女」にシーレックの手術だと偽り

彼女を失明させてしまいます

デイビッドは失意に暮れる女を支え

やがてふたりはリーダーを殺して街に逃げる決意をします

 

デイビッドはリーダーを襲い拘束、墓穴に放置して野犬に襲わせます

(ここでは自分の墓穴を掘って用意するルールもある)

街まで逃げ、ダイナーに入ると

デイビッドは彼女の顔を二度と忘れないようにと見つめます

女が見えなくても他の感覚が研ぎ澄まされるようになると言うと

デイビッドはウェイターに肉用のナイフを頼み、トイレに行きます

パートナーとして認められ、生きていくためには「共通店」が必要

ふたりが見つけた共通点は「盲目」になること

本当に愛しているなら、彼女の目になってあげるべきなのに

そんな常識の通じない世界

鏡の前でナイフを目に突きつけようとするデイビッド

ラストのカットの長回し

なかなか戻ってこないデイビッドを待つ女の目が

一瞬見えているような瞬間をカメラが捉えます

そして流れる波の音

ここで冒頭の「ロバを撃った女」のロバが

たぶん彼女の夫か、恋人だったのだとわかります

それでも殺した理由まではわかりません

わかるはずがないのです

 

すべての男と女がそうであるように

好きになるのも、別れるのも

本人同士にしかわからないし、出来ないこと

 

そういう解釈で腑に落ちたのでした

 

 

【解説】映画.COMより

アカデミー外国語映画賞ノミネート作「籠の中の乙女」で注目を集めたギリシャヨルゴス・ランティモス監督が、コリン・ファレルレイチェル・ワイズら豪華キャストを迎えて手がけた、自身初の英語作品。2015年・第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。独身者は身柄を確保されてホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられて森に放たれるという近未来。独り身のデビッドもホテルへと送られるが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、ほどなくして独り者たちが隠れ住む森へと逃げ出す。デビッドはそこで恋に落ちるが、それは独り者たちのルールに違反する行為だった。

2015年製作/118分/R15+/アイルランド・イギリス・ギリシャ・フランス・オランダ・アメリカ合作
原題:The Lobster
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2016年3月5日

 

聖なる鹿殺し/キリング・オブ・ア・セイクリッドディア(2017)

原題は「The Killing of a Sacred Deer」(神聖な鹿の殺害)

ミヒャエル・ハネケのような不気味で居心地の悪さ

でもハネケの「本当に怖いのは人間」とは違って

神がかっている

これは映画の終盤で娘が学校のレポートで「A」をもらったという

ギリシャ神話の悲劇「イピゲネイア」にヒントがあるのですね

トロイ戦争の英雄アガメムノン王は

「私の狩の腕前には女神たるアルテミスもかなわないであろう」

女神アルテミスが可愛がっていた鹿を殺してしまいます

怒った女神アルテミス(残酷な手段を辞さないことで名高い)は

ギリシャ軍が港から出征できないよう風を止めてしまい

アガメムノンの娘、王女イピゲネイアを生贄に捧げろと命じます

悩んだアガメムノンは「(美貌の兵士)アキレウスと結婚させる」と嘘をつき

イピゲネイアを呼び寄せます

イピゲネイアと母親が婚礼一式の準備をし、憧れのアキレウスに挨拶に行くと

アキレウスは「???」

イピゲネイアは幸福の絶頂から突き落とされたうえ

アガメムノンから兵軍を守るため生贄になってくれ」と頼まれます

 

自分の欲求のために女神の聖なる鹿を殺し

保身のためにわが子を生贄に捧げるアガメムノン

イピゲネイアは国のため父親の願いを受け入れると

婚礼の衣装を身に着け、首を落とされます

すると悲しむ母親の前にアルテミスが現われ

イピゲネイアは死んだのではない、鹿と入れ替わったのだと告げるのです

冒頭から心臓手術のシーン

心臓外科医としてキャリアのあるスティーブン(コリン・ファレル)は

マーティン(バリー・コーガン)という16歳の少年と会っています

真面目で礼儀正しいマーティンに
時々お小遣いを渡したり、時計をプレゼントするスティーブン

最初は前妻の子?と思ったのですが(笑)

マーティンは遺児で死んだ彼の父親はスティーブンの患者でした

ティーブンは郊外の豪邸に住み

眼科医の妻アナ(ニコール・キッドマン)

生理を迎えたと報告する14歳の娘キム幼い息子ボブと

何不自由な暮らしていました

(妻との夜の生活は「全身麻酔プレイ」という 笑)

ティーブンはマーティンを家に招待することにし

アナもマーティンを気に入り、キムは彼に興味津々

(高価でなくてもプレゼントのセンスがいい)

ボブは16歳なら腋毛が生えているの?のと見せてもらい

「パパのほうが3倍多い」と父親自慢

楽しいひと時を過ごします

後日マーティンはスティーブンにこないだのお礼に

家に招待するので母親と会ってほしいと頼みます

最初は断るもののマーティンの強引さに従うしかないスティーブン

食事が済むと父親の好きだった映画を見ようといいます

しかも母親とふたりを残し先に寝るという

母親はスティーブンの指が綺麗だと褒め、いきなり彼の指にしゃぶりつきます

驚いたスティーブンはその場を去りますが

まやもやマーティンが会いに来て、映画の続きを見に来てほしいといいます

母は先生が気に入っているから、母と一緒になって僕の父親になってほしい

さすがのスティーブンも「結婚してるんだぞ!」と怒鳴ってしまいます

その日を境に、ボブが立てなくなります

食べ物一切受け付けない

病院であらゆる検査を受けても異常はみつかりません

その頃マーティンはキムとバイクデートをしていました

でもキムから誘っても、性的なことは決してしません

マーティンティーブン呼び出し言います

「最初に歩けなくなり 次に食べられなくなり 目から血を流し そして死ぬ

最初にボブが、次にキムが、最後に奥さんが

3人のうちひとりを選んで殺さないと、全員死ぬと予言します

やがてキムも倒れて歩けなくなります

アナは夫とマーティンの間に何があるのか

麻酔科医に手で「いいこと」をしてさしあげて事情を聞きます

手術の日、スティーブンは酒を飲んで執刀

マーティンの父親は飲酒による医療ミスで死んだのです

そのことを知ったマーティンはスティーブンに接近し

死んだ父親の代わりに父親になってもらうため

「いい子」でいたんですね

でもそれが叶わないとわかった

ならば「先生は僕の家族を一人殺したのだから、先生も家族をひとり失うべき」

ひとり選ばなければ全員殺すと「呪い」をかけたのです

ティーブンはマーティンを誘拐し、ガムテープで拘束して殴り

自宅のガレージに監禁します

(本気で家族を助けたいと全く思えない)

アナは夫に内緒で、マーティンの怪我の手当てをし

彼にひれ伏して裸足の足にキスしました

キムはマーティンのところまで這っていくと

「私と一緒に逃げて 私を助けてくれるよね」と懇願します

一方で父親には「パパのために私が死ぬから私を殺して!」と

泣きながら訴えます

何もしなかったボブの目からは血が流れます

そこで(父親に気に入ってもらうため)長髪を切り

「本心はお父さんみたいな心臓外科医になりたかったんだ」と

気に入られようと努力しますが

あなたはもう死ぬんだから、死んだ音楽プレーヤーをもらう」とキム

さらに普通の母親なら子供を守ろうと「自分を殺して」と言いそうなものを

アナは「可哀想だけどひとり選ぶなら子供よね 私達はまた子供を持てるわ」と

服を脱ぎベッドに身を投げ出します

アナは黙ってマーティンを逃がすことにしますが

呪いが消えることはありませんでした

ティーブンは(どちらの子供を選ぶか決めるため)

学校に子どもたちの成績を聞きにいきます

先生はボブは数学と科学に優れている

キムは「イピゲネイア」を題材にした作文が優秀だったと絶賛します

(マーティンから教えてもらったのだろう)

ティーブンは初めて泣きます

そして彼が出した答えは、誰かを選ぶのではなく

運命にまかせるというものでした

3人を椅子に座らせ

(悲鳴を聞かれないためだろう)ガムテープで口を覆い、目隠しをすると

自分もニット帽で目隠しして回転してライフルで撃つ

3発目の弾がボブの心臓を貫きます

3人家族になり、ダイナーで食事をしていたティーブンとアナとキムは

店にマーティンが入ってくると

キムは意味深に大量のケチャップをポテトにかけ

食事が終わると素知らぬ顔で席を立ちますが

キムだけは店を出る前にちらりと彼を振りかえります

イピゲネイアの悲劇には後日談があるといいます

娘を失った母親は怒りと悲しみのあまり、夫のアガメムノンを殺してしまい

イピゲネイアの弟は、父親を殺した母親をせず殺します

でもこの物語に後日談があるとすれば

将来マーティンとキムが結婚することでしょうか(第三の計画)

マーティンは希望通りスティーブンを父親にし

息子を失ったスティーブンはマーティンを息子として迎え入れる

最初からボブが死ぬことは必然的だったのです


 

【解説】映画.COMより

「ロブスター」「籠の中の乙女」のギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、幸せな家庭が1人の少年を迎え入れたことで崩壊していく様子を描き、第70回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞したサスペンススリラー。郊外の豪邸で暮らす心臓外科医スティーブンは、美しい妻や可愛い子どもたちに囲まれ順風満帆な人生を歩んでいるように見えた。しかし謎の少年マーティンを自宅に招き入れたことをきっかけに、子どもたちが突然歩けなくなったり目から血を流したりと、奇妙な出来事が続発する。やがてスティーブンは、容赦ない選択を迫られ……。ある理由から少年に追い詰められていく主人公スティーブンを「ロブスター」でもランティモス監督と組んだコリン・ファレル、スティーブンの妻を「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン、謎の少年マーティンを「ダンケルク」のバリー・コーガンがそれぞれ演じる。

2017年製作/121分/PG12/イギリス・アイルランド合作
原題:The Killing of a Sacred Deer
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2018年3月3日

 

タイトロープ(1984)

原題のTightrope」とは綱渡りに使う張り綱のことで

危険を冒したり、危ない橋を渡ることのたとえ

ダーティハリー4」の翌年に公開された刑事ものですが

こちらは離婚しふたりの娘を育てるシングルファーザー

子煩悩で娘たちからも懐かれていますが

別れた妻には未練タラタラ

 

実際にもイーストウッドはこの年

30年連れ添った最初の妻マギーさんと離婚

捜査のため聞き取りに行った女性たちとはすぐヤッちゃうし

サディスティックな性癖がある(笑)

本当にイーストウッドをモデルにして映画を作ったんじゃないか

っていうくらい、女好きでしょうもない男

最後には娘(演じていたのも当時14歳だった実娘アリソン)まで

レイプ被害者にしまうという

そこもイーストウッドらしいというか、なんというか

出だしはヒッチコック的でつかみはばっちり

夜道を歩く女性、後ろから何者かが近づき振り向くと警察官の姿

家まで送ってもらったものの

制服を着ている男が履いているのは汚れたスニーカー

翌日女性の惨殺死体が見つかります

犯人の顔は見せず、このスニーカーだけで恐怖を煽る

だけどそこまで(笑)

ほっこりしたり、笑えるシーンもあるのですが

そのことが結果アンバランスになっています

妻と離婚し(寂しくてワンコとベッドを共にしている 笑)

アマンダ(アリソン・イーストウッド)とペニー2人の娘を育てる

ニューオリンズ市警のブロック刑事(クリント・イーストウッド)は

その夜フットボールの試合を見に行く予定でしたが

 

夜の歓楽街フレンチ・クォーターで女性が殺されたと

署から呼び出しをうけます

殺された娼婦は手錠をはめられレイプされたあとに絞殺

犯行の手口から先日殺された女性と同一犯と思われました

レイプ被害者女性救済センターのベリル(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)が

情報公開を求めブロックを尋ねて来ましたが

ブロックは何も話せないと追い返してしまいます

ブロックは被害者を知っているという娼婦に聞き込みに行きますが

そのまま金髪メガネっ子の娼婦の誘いにのり(笑)

しかもネクタイを忘れて帰るというお粗末さ

その様子をスニーカーの男が見つめていました

そしてまたもや同じ手口で第3の犠牲者が発見されます

ブロックは金髪メガネっ子の仲間のベッキーから

客の中に警察官を名乗る人物がいて

手錠プレイをしていたことを知らされます

3人の犠牲者を出しながら捜査が進んでいないことに

業を煮やしたベリルは市長に苦情を申し立てたことで

ブロックは彼女に犯人の特徴と、遺体に残された赤い繊維について話し

さらに(都合よく)同じジムに通っているベリルに近づくと

ベリルを食事に誘い、親密な関係になります

真剣にお付き合いするのは

ブロンド美女より身持ちの堅い女性というわかりやすさ

そう思うと(12年も一緒に暮らした)ソンドラ・ロックにも

ちょっと同情しちゃうわよね

本妻ともソンドラともほぼ同時期に別れているので

イーストウッドにとっても、この作品が転換期だったかも知れません

さらに4人目の犠牲者が見つかると遺体は金髪メガネっ子でした

さらに「ちょっと頭をひねれば分かるだろう」と書かれたカードと

手錠を付けた小さな人形が署に届きます

捜査をしていくうち、サムという娼婦がブロックの胸に黒い花をつけ

知らない男から「ゲイバーに行け」という伝言を頼まれたと

言われた通りゲイバーに向かうと、同じ黒い花を付けた男から誘われます

ブロックはやんわりとお断りし(笑)

男は倉庫で犯人と会う約束をしていると知ります

ブロックがその場所に行くと、ゲイバーで知り合った男の絞殺死体があり

彼の首に巻かれていた赤いリボンは

一連の殺人で見つかった赤い繊維と同じものでした

署に帰って犯人から贈られた「頭をひねれば分かるだろう」の

人形の頭をひねって出てきたのは

ベッキーがいつも舐めていたアイスキャンデーの棒でした

次の犠牲者はベッキーということ

予告通りベッキーの遺体が噴水で見つかり

像にはブロックが娼館に忘れたネクタイが結ばれていました

上司に「顔見知りなのか」と問われますが、ブロックは否定します

ブロックは娘たちにベリルを紹介するため、カーニバルに誘います

ベリルと娘たちは意気投合し楽しいひとときを過ごしますが

ペニーがピエロもらった風船には、犯行に使われたのと同じ赤いリボン

帰宅したブロックは、ベリルを赤いリボンで絞殺する悪夢で目覚めます

自分は奴と「同じ」なのか

犯人の残した遺留品のなかに、ビール製造に使う麦の成分が見つかり

さらに過去のレイプ犯を調べていると

少女2人への暴行容疑で逮捕された警察官の新聞記事を見つます

部下の調べでその元警察官のロルフという男が

11年の服役を終えビール工場で働いることがわかります

犯人はロルフに間違いない

しかも11年前ロルフを逮捕したのはブロックでした

ビール工場を捜査することになったブロック

そこには同じスニーカーの従業員がいっぱい(笑)

ブロックに気付いたひとりが、そっとその場を立ち去ります

ロルフが見つからず、悪い予感がしたブロックが急いで家に戻ると

すでに家政婦は殺されていて

襲いかかってきた犯人と格闘になるものの逃げられてしまいます

ベッドにはレイプされ倒れているアマンダ

アマンダは病院に運ばれ、別れた妻が看病のためやってきました

犯人を殺してやると誓うブロック

ベリルに護衛の警官をつけ、ロルフの家宅捜査に行くと

机の引き出しには大量の赤いリボン

 

その頃ロルフは護衛の警官を殺し、ベリルを絞殺しようとしていました

ベリルが(護身術はあまり役に立っていない?)必死に抵抗しているところに

ブロックが駆け付けると、ロルフは逃亡

ブロックは駅伝並みのスピードでロルフを走って追いかけ

線路に侵入し殴り合いになります

そこに貨物列車がやって来て、逃げ遅れたロルフはバラバラ死体

ブロックを心配したベリルがやってくると

ふたりは肩を組み歩きだすのでした

 

 

【解説】映画.COMより

美女連続殺人事件の犯人を追う刑事の捜査活動を描く。製作はクリント・イーストウッドとフリッツ・マーネイズ。監督・脚本は「アルカトラズからの脱出」(79)の脚本を書いてイーストウッドに認められたリチャード・タッグル。撮影はブルース・サーティーズ、音楽はレニー・ニーハウスが担当。出演はイーストウッドの他に、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ダン・ヘダヤ、クリントの12歳の実娘アリソン・イーストウッドなど。日本版字幕は岡枝慎二テクニカラービスタサイズ1984年作品。

1984年製作/アメリ
原題:Tightrope
配給:ワーナー映画
劇場公開日:1984年9月15日

 

ショーイング・アップ (2023)

「もう、飛べたんだ」

原題は「Showing Up」(現れる)

 

個展を間近に控えた人形陶芸家のフラストレーション

評価の高い作品ですね

登場する彫刻は映画の舞台でもあるポートランド在住のアーティストで

ケリー・ライカートが長年フォローしている

シンシア・ラハティCynthia Lahti(@cynthialahtiartist)により制作されたもの

ヒロインを演じたミシェル・ウィリアムズ

彫刻のトレーニングで創作意欲に目覚め(笑)

撮影が終わるまでに工房内を歩くのが困難になるくらい

多くの作品を作ったそうです

ポートランドにあるオレゴン美術工芸大学

ポートランドは芸術の街として有名なのだそうです)

ジーミシェル・ウィリアムズ)は美術専攻の学生たちに混じり

母親と共に事務の仕事を務める傍ら、人形の陶芸作家をしていますが

個展が近いというのに制作がままならずイライラ

給湯器が壊れお湯が出ないためシャワーを浴びれずイライラ

大家で隣人の芸術家ジョー(ホン・チャウ)に修理を頼んでも

一向に直してくれずイライラ

さらに年下のジョーに天才的な才能がありイライラ

飼い猫が鳩を部屋に連れ込み噛み殺そうとしてイライラ

窓から放り投げた瀕死の鳩をジョーが救って手当て

その鳩の面倒を押し付けられてイライラ

でも怪我をさせたのが飼い猫で、自分がちりとりで捨てたと言えず

鳩の様子が気になってしょうがない

この女性特有のイライラやモヤモヤは、なんとなくわかりますね

今日こそ「やるぞ!」と思っても、何かしら邪魔が入る

陶芸家の父親(ジャド・ハージュ)は仕事もせず

ヒッピー風の見知らぬ旅人を家に泊めているし

兄はコミュ障で引き籠り

大地アート?にのめり込みリジーを心配させますが、母親は呑気なもの

常に喉元に骨が刺さったような状態なのです

リジ-とは対照的に、ジョーは自分がやるべき優先順位がわかってる

それは庭にタイヤブランコを吊るすことだったりもするけれど(笑)

リジ-に給湯器を直してと文句を言われても気にしない

今力を入れるべきところはそこじゃないのです

しかも不動産による収入があり

他で働かずとも制作に打ち込めるという恵まれた環境

作品作りにおいても、ジョーは思い切りがある

編み物作家などほかのアーティストとも協力して作品を作り上げます

一方のリジーはひとり部屋にこもり、綿密にラフを繰り返して作品を作る

しかも半分焦げた作品が出来上がり、納得はいかないものの個展で発表します

(不完全に見えるのは彼女自身の象徴なのだろうな)

個展は大学の仲間や、友人や知人たちにより盛況を迎え

(主催者はワインや食事を提供しなくてはならないんだな)

兄も無事に来てくれました(リジーが心配するほど実は病んでない)

そして来場していた子どもたちが鳩の包帯をほどくと

(鳩が作品を壊してしまうオチかと思った 笑)

鳩はギャラリーを飛び出し大空へ舞い上がっていったのです

同時にリジーの燻ぶっていた気持ちもどこかへ飛んでいきました

給湯器も直してもらったことだし、ゆっくりお風呂に入ってね

些細な幸せこそ実は重大で、本当に大切なんだなと思わせる

ミラマックスと入れ替わるように台頭したA24」を象徴するかのように

映画界も映画のストーリーも、白人男性優位な状況から一転

ケリー・ライカートも苦境を超え、時代の波に乗った監督のひとりですね

ただ「これが面白い映画だ!」の観念が長年刷り込まれているので(笑)

見終えたあとのスッキリ感はいまいちかも知れません

 

 

【解説】映画.COMより

「ウェンディ&ルーシー」などで知られ、アメリカ・インディーズ映画界で高く評価されるケリー・ライカート監督が、ミシェル・ウィリアムズと4度目のタッグを組んだ作品。芸術家の女性の思うようにならない日常や周囲の人々との関係を、時に繊細に、時にユーモラスに描く。
美術学校で教鞭を取る彫刻家のリジーは、間近に控えた個展に向け、地下のアトリエで日々作品の制作に取り組んでいる。創作に集中したいのにままならないリジーの姿を、チャーミングな隣人や学校の自由な生徒たちとの関係とともに描いていく。

主人公のリジーをウィリアムズが演じた。共演に「ダウンサイズ」「ザ・ホエール」のホン・チャウ、ライカート監督の「ファースト・カウ」に主演したジョン・マガロ、ラッパーのアンドレ・ベンジャミン、「フェイブルマンズ」のジャド・ハーシュ。2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2022年製作/108分/G/アメリ
原題:Showing Up
配給:U-NEXT
劇場公開日:2023年12月22日