こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018)

しばらくブログを休止して

3年ぶりに実家のある北海道に行って参りました

だからというわけではありませんが(笑)

北海道人が主役で北海道が舞台の「こんな夜更けにバナナかよ」

レビューしたいと思います

まずタイトルがいいですね

ひと目でどういう情況かがわかる

 

原作は進行性筋ジストロフィーという難病

北海道札幌市に在住していた鹿野靖明(しかの やすあき 1959-2002

を取材した渡辺一史によるノンフィクション

こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち

1994年札幌

北大医学部の田中(三浦春馬)と付き合うことになった

教育大生(実はカフェのアルバイト)の美咲(高畑充希)は

忙しいとなかなかデートできない田中の真実を探るため

鹿野(大泉洋)の自宅を尋ねると、自らも筋ジストロフィーを患っている

鹿野の介護ボランティアに携わってしまいます

わがままで自由奔放、セクハラに言いたい放題

始めは鹿野に嫌悪感を抱いていた美咲でしたが

徐々に鹿野の人柄に惹かれていくようになるのです

 

自分の欲望を形振り構わず実現しようとする

これは美咲じゃなくてもキレますよね(笑)

でもこの鹿野という男、100回か200回に1

ものすごくイイコト言うんですよ(笑)

アメリカ行きの夢を叶えるため英会話を勉強してる

こんな俺が頑張ってるんだから、君には絶対出来る

やがて鹿野がなぜここまでボランティアに対して

(介護以外のことまで)我儘なのか、私たちも納得していきます

障害を持っている人間は

常にモチベーションをあげていないと生きていけない

自分の欲望を満たすこと(健常者なら普通にできること)こそが

生きている証しなのです

そのために誰かに助けてもらうことは恥ずかしいことではない

 

性欲についてはなるほど、と納得

(だからホーキング博士も女性にはモテていたのか 笑)

そしてフラれても決してめげない(笑)打たれ強さ

田中と美咲は架空のキャラだと思うのですが

ラストにかけて彼らのハッピーエンドという美談として

うまくまとめはしたものの

障害者と健常者の対等な人間関係というテーマから

ずれてしまったのは残念

 

30年経った今でも、障害者は可哀そうな人

もっと酷くいえば迷惑な人

実際の鹿野本人が本当に目指したものが見えにくくなってしまった

それでもノーマライゼーションを知る

障害者や高齢者特別視せず同様の生活が出来るよう支援すること)

きっかけとしていい作品ですし

ローカル時代の大泉洋さんを知るどさんこにとっては

心地いい北海道弁を聞くことができました

 

【解説】映画.COMより

筋ジストロフィーにかかりながらも自らの夢や欲に素直に生き、皆に愛され続けた実在の人物・鹿野靖明さんと、彼を支えながらともに生きたボランティアの人々や家族の姿を描いた人間ドラマ。大宅壮一ノンフィクション賞講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した書籍を原作に、「ブタがいた教室」の前田哲監督がメガホンをとり、大泉洋が主演を務めた。北海道の医学生・田中はボランティアとして、身体が不自由な鹿野と知り合う。筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィー12歳の時に発症した鹿野は、いつも王様のようなワガママぶりで周囲を振り回してばかりいたが、どこか憎めない愛される存在だった。ある日、新人ボランティアの美咲に恋心を抱いた鹿野は、ラブレターの代筆を田中に依頼する。しかし、実は美咲は田中と付き合っていて……。医学生・田中を三浦春馬、彼の恋人・美咲を高畑充希がそれぞれ演じる。

欲望の翼(1990)

「じゃあ一緒に不幸になればいい」

原題は「阿飛正傳」(チンピラの伝記)



初メガホンの「いますぐ抱きしめたい」(1988)で

カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)にノミネートされ

世界に名を知らしめたウォン・カーウァイ2作目の監督にして

蘇麗珍(スー・リーチェン=ヒロインの名前)3部作」の1作目

2作目は「花様年華」(2000)3作目は「2046」(2004)で

60年代シリーズとも呼ばれています

とにかく最初からin the mood for

サッカー競技場の売店に男がコーラを買いに来る

男は店番の女に「名前は?」と聞く

「教えたくないわ」と答える女



それから毎日男は来る

196041631分前、君は僕といた

「この1分を忘れない」

「君とは“1分の友達”だ」

「今夜、夢で会おう」

流れる曲はロス・インディオス・タバハラスの「Always in my heart

♪~I don't know the meaning of life

人生の意味はわからないけど
But I know what's truly precious

何が本当に大切かはわかる

The way  it leads me to be in love

それが私を恋へと導く

No fear I can find me always in my heart

心配しないで 自分を見失いはしないから・・~

男、ヨディ(レスリー・チャン)が 女、スー(マギー・チャン)に語るのは

テネシー・ウィリアムスの「地獄のオルフェウス」の一片

 

脚のない鳥がいるらしい

脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠

生涯でただ一度地面に降りる時、それが最期の時

スーはルームメイトの従妹が結婚するので

アパートをでなければならないという

ヨディに一緒に暮らせないかともちかけると

ヨディは同居はいいけど結婚する気はないと答えます

将来のない関係に別れを決意するスー

だけど、いつの間にか彼の虜になっていたのです

レスリー・チャンマギー・チャン、カリーナ・ラウ

トニー・レオンアンディ・ラウジャッキー・チュン

という6人のトップスターを起用したキャスティング

 

そして今までの映画界とは一線を画す

クリストファー・ドイルの浮遊感ある美しい映像

ノローグを多用した、時系列に沿わないストーリー

印象的な音楽(サントラがないというのが残念)

香港恋愛映画の新しい風

スーと別れたヨディは、母親(育ての母)の経営するクラブのダンサー

ミミ(カリーナ・ラウ)を強引に誘い一夜を過ごします

クラブの従業員?で母親のヒモが

母親を泥酔させ、母親のダイヤのイヤリングを盗み

そのイヤリングをミミが盗もうとしたのがきっかけ

やがてミミも肉体関係だけのヨディに本気になってしまいます

だけどヨディはうわの空

ヨディには産みの親を知りたいという願望がありました

セックスはその不満を埋めるだけのものかも知れません

ミミに横恋慕するのはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)

階段でひと目で会ったとたんミミに恋をしてしまいます

ヨディのことが忘れられず、夜ごと彼のアパートの前に足を向けるスー

「荷物を取りに来ただけ」

「今でも好きよ」

「俺は君に相応しい男じゃない」

別の部屋で密かに立ち聞きしているミミ

夜間パトロールの警官タイド(アンディ・ラウ)

スーの話を聞き、彼女に想いを寄せるようになります

「話し相手が必要ならまた来いよ」

「公衆電話で読んでくれ この時間はここにいる」

だけど公衆電話のベルが鳴ることはなく、介護していた母親は死に

夢だった船乗りになり旅立ちます

ヨディは突然姿を消し母親のいるフィリピンにいました

だけど母は会ってはくれませんでした

母の視線を背中に感じつつ邸宅を後にするヨディ

泥酔しフィリピンの路上で倒れ、所持金も全て盗まれてしまう

ヨディを助け介抱したのは

次の出航までフィリピンに宿泊していた元警官のタイドでした
酔いの醒めたヨディがタイドを連れ食堂で朝食を取っていると

ヨディは別室に行き密売グループから偽造パスポートを

受け取ろうとしますが「金はない」

ヨディは密売者を刺し、乱闘になってしまいます

倒れた密売者のひとりから拳銃を奪ったタイドは

密売グループを倒し、ヨディと列車に乗り込み逃走するのでした

犯罪に巻き込まれてしまったタイドはヨディを怒ります

「知ってるさ 女には受ける話だろうよ」

「足のない鳥のつもりか? おまえなんかただのゴミさ」

「なにが鳥だよ 鳥ならどっかへ飛んで行けよ 行けよ早く」

そしてタイドが次の駅までの時間を車掌に訪ねに行っている間

追っ手に見つかったヨディは、腹に二発打ち込まれてしまいます
タイドが席に戻ると、死ぬ間際ヨディは語りました
「最後に見るものが何か知りたい だから目は閉じない」

「死ぬとき何が見たい? 長い人生でまだ見ていないものが山ほどある」

「お前は? 考えとけよ 人生は短い」

欲望の翼とは、足の無い鳥のこと

飛ぶことはできるけど、着地はできない

楽園(母親)に足を着けようと思ったが最期、死んでしまった

皮肉なことにレスリー・チャンもこの世にはいない

彼も高いところから着地せず死んでしまった

 

やって来たミミ、走り去る列車

誰もいない夜の公衆電話で鳴り響くベルの音

ミミはヨディの車を売ったお金でサブとやり直せばいい

タイドは次の休暇にはスーの働くサッカー競技場に

チケットを買いにいけばいい

だけどそうしないのが人生

男と女の出会いの順番ほど、重要なものはない

ラスト、謎の男(トニー・レオン)が

(香港着の客船の部屋と思われる場所で)身支度をしている

彼は何処から来て、何処に行くのか

そして誰と会うのか

正直ストーリーそのものは、かなり粗いのですけど(笑)

そんなことどうでもいいくらい、不思議な魅力を湛(たた)ている
そしてなにより主人公レスリー・チャン本人と重なることが

(母が事業に忙しく乳母に育てられている)

この作品を神格化させたのではないかと思います

 

 

【解説】allcinema より

そのスノッブさが、多くの香港映画から得られる直截なイメージから隔たっているという理由で、不当な批判も被っているウォン・カーウァイ王家衛)の大胆な青春映画である。先の批評を下す人は、香港人をみなサモ・ハンやユンファのステロタイプに閉じ込めて事足れりとしているとしか思えない。香港にもアメリカかぶれがいて、B級ノワールグルーミーな雰囲気を愛し、それを60年代初頭を舞台にした青春群像に応用しようとして何が悪いのか? この作品は余りにも俗物的であるがゆえ、香港映画を観る際の新たな視点の要求に向けて革命的なインパクトをもたらした。6人の主要登場人物それぞれの視点が混在し、物語よりも感情の絡み合いと離反を描くことに主眼を置いた幻惑的な文体は、ギリギリの所で劇的に機能するのにも驚く。ヨデイは養母レベッカに育てられ、自己の複雑な内面を持て余す青年、自分を足のない鳥にたとえ、飛び続ける人生を夢みる。彼は後にフィリピンを訪ねるが……。プレイボーイのヨデイに惑わされる身持ちの堅いサッカー競技場の売り子スーは警官タイドにも愛されるようになる。船乗りに憧れるタイドはやがて異国の地でヨデイと出会うだろう。ミミはレベッカの店のダンサーでヨデイに惚れぬいていたが、その親友で彼女に恋するサブにあてがわれる。そうした出来事と関係なく、最後、天井の低いアパートの一室で身支度をするギャンブラー、スマークが映し出されるが、これは結局作られていないパート2の序章なのである……。そのパラレルな時間感覚、映画のイメージを体現するペレス・ブラードのラテン曲の使用、C・ドイルの驚異的なカメラワーク……と、見どころ、聴きどころは枚挙に暇がない。



 

グレイマン(2022)

原題もThe Gray Man」(目立たない男)

ネトフリ史上最高額2億ドル)のスパイ・アクション

現時点での映画制作費最高額は意外にも

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」201138,000万ドル

タイタニック1997)が28,600万ドルで制作されたことを考えると

両作ともどこにそんなにお金をかけたのかわからない

しかもアクションシーンは早送りじゃねえか(笑)

原作はマーク・グリーニーのシリーズ10作を超える

「グレイマン 暗殺者」ということで

いかにも続編もありきでしたね

 

ストーリーは単純でCIAの内部腐敗とその告発もの

殺人や破壊シーンこそド派手なものの

性的なコンテンツや麻薬絡みがないのはいい

中高生のデートムービー

家族で楽しむファミリームービーとしてもオススメできるし

オジサンが好きそうなコメディ的要素もあるので

ぜひこの夏休みにいかがでしょう(笑)

 

殺人犯で刑務所に収監されていたジェントリーという男が

CIA監理官フィッツロイにスカウト、工作員として働くようになり

その完璧な仕事ぶりから「グレイマン」とあだ名されます

しかし任務の途中で上司の汚職が記録されたドライブを手に入れてしまい

命を狙われるようになってしまうのです



ジェントリー/シエラ・シックス(ライアン・ゴズリング

CIAの秘密組織シエラの暗殺者、コードネーム

007より数字が少ない「シックス」

弟を助けるため虐待する父親を殺した過去がある



ミランアナ・デ・アルマス

シックスとシエラ・フォーの暗殺を遂行するため雇われたCIA工作員

真実を探るためシックスを助けることになる

 

シエラ・フォー(カラン・マルヴェイ)

シックスに殺される間際、謎のドライブをシックスに授ける



カーマイケル(レジェ=ジャン・ペイジ)

CIAのシエラ(影の暗殺ミッション)主任エージェント

CIAの腐敗を詳述したドライブをフォーに奪われ

フォーからドライブを預かったシックスを殺そうとしている



スザンヌ・ブリューワー ジェシカ・ヘンウィック)

カーマイケルの部下でシエラのナンバー2

カーマイケルに全ての責任を背負いこまされ

ロイドを監督するように命じられる

 

ロイド・ハンセンクリス・エヴァンス

シックスを殺すためカーマイケルに雇われた

CIAエージェントで傭兵、民間の殺人破壊組織のリーダー

任務のためには手段を選ばずどんな行為も行う

スザンヌCIAの失敗の全責任を負わせるため)撃たれ殺される



マーガレット(アルフレ・ウッダード

シックスとフィッツロイの元上司、末期がん

シックスが郵便で送ったドライブの暗号の解析に成功

ロイドに襲撃され自爆する



ドナルド・フィッツロイ(ビリー・ボブ・ソーントン

シックスをスカウトし、今は隠居生活している元CIA高官

シックスから助けを求められ救助しようとするが

姪を誘拐され自らも人質にされてしまう



クレア(ジュリア・バターズ)

ドナルドの姪で生まれつきの心臓病

かってシックスが護衛したことがありシックスと親しい

重度の心臓病といいながらクライマックスでは走ったり

高所からダイブしたり、泳いだり大活躍(笑)

 

ラズロ/洗濯屋ワーグナー・モウラ

シックスが頼った金で仕事するなんでも屋

クレアの(居場所を掴むため)ペースメーカーの

シリアル番号はわかったものの

偽造パスポートを作る際、落とし穴に誘い込まれ

賞金目的のためロイドに密告する

 

ローンウルフ/アヴィク・サンダヌシュ

ロイドに雇われた傭兵

ペースメーカーの番号から)病院でクレアを捜すシックスから

ドライブを盗むことに成功

が、ロイドの子どもまで殺そうとする欠如のなさにあきれ果て

ミランダにドライブを渡すことにする

 

 

ミランダは拘束されドライブはスーザンの手に入り

カーマイケルによって破棄されます

2週間後CIA支局の審査ではカーマイケルスーザン

そしてミランダの処遇は軽く済みます

 

カーマイケルとスザンヌがロイドとの戦いで入院した

シックスの病室へ向かうと、彼はクレアに会うため逃走

ルパン三世カリオストロの城の「おじさまっ」を思い出す 笑)

スザンヌはシックスとミラン隠蔽工作に協力

これからもCIAのために働くのであれば

クレアの安全を保障すると約束するのでした

悪事は隠蔽したままでいいんかい(笑)

でもアナ・デ・アルマスちゃんがいいので許す(笑)

本作では「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の北上ミドリを

実写版にしたかのようなビジュアルでめっちゃキュート

Netflixマーベル・シネマティック・ユニバースに挑んだ?(笑)

新ヒーロー誕生になるか

問題はこの製作費が今後も維持できるできるかどうか

でしょうね、たぶん

 

 

【解説】映画.COMより

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ エンドゲーム」のアンソニージョー・ルッソ兄弟がメガホンをとったアクションスリラー。「ブレードランナー 2049」「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングと、「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エバンスが初共演し、命をかけた工作員同士の攻防を描く。通称「グレイマン(見えない男)」と呼ばれる優秀なCIA工作員コート・ジェントリーは、ある日、組織の超重要機密を知ってしまったことから、命を狙われるはめになる。非情な工作員のロイド・ハンセンはコートに賞金をかけ、あらゆる手段を使ってコートを仕留めようとするが……。コートをライアン・ゴズリング、ロイドをクリス・エバンスが演じるほか、「ブレードランナー 2049」「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」で2人とそれぞれ共演経験のあるアナ・デ・アルマスが、コートを援護する工作員のダニ・ミランダ役で出演。脚本を、「アベンジャーズ」や「キャプテン・アメリカ」シリーズなど、マーベル・シネマティック・ユニバース作品の脚本を数多く手がけてきたクリストファー・マルクスとスティーブン・マクフィーリーが担当。Netflix2022722日から配信。それに先立つ715日から一部劇場で公開。

アデル、ブルーは熱い色(2013)

原題は「LA VIE D'ADELE Chapitres 1 et 2

(アデルの生涯 第1章と第2章)


原作は2010年に刊行されたコミックス

Le bleu est une couleur chaude」(ブルーは熱い色)
著者のジュリー・マロ(1985~)はフランス生まれの女性BD(同性愛可)

フランス映画にしては長い約3時間

原題の通り2部作のひとつの作品で

アプローチは「ナインハーフ」(1986)と

「追憶」(1973)を足した青春レズビアンorクィア)版

カンヌ国際映画祭では審査委員長を務めたスティーブン・スピルバーグ

「これは同性愛の物語ではなく、偉大な愛の映画だ」と絶賛し
アブデラティフ・ケシシュ監督とともに、主演女優ふたりが

そろってパルムドール受賞という史上初の快挙を成し遂げました

すごくよかったですね

難を言えば無駄にセックスシーンが長いこと(笑)

完璧で若い女性の裸体が絡み合う姿は

美しく芸術的ですらありますが

Netflixでモザイクなしで見れます 笑)

アデル・エグザルホプロスもレア・セドゥ

本物のレズビアンではないと思うんですね

つまり監督の指示でやっているということ

結局は男の求めるセックスにしか見えない

レア・セドゥ曰く、ワンシーンに10日間100カットをかけ

6時間もオーガズムを経験したかのような演技を求められたそうです

それこそ女性の身体をわかっていない(笑)

本物のレズビアンの指導があったほうがよかったと思います

本物のレズビアンがどういうものかにも興味ありますし(笑)

前半は高校2年生で17歳のヒロイン、アデルが

男の子と付き合っても満足しない自分の性に悩み

やがて理想の女性エマと出会いオーガズムの悦びを知るというもの

周囲との葛藤に苦しみながら18歳の誕生日を迎えます

後半は社会人になり念願だった先生として働くアデル

エマと暮らし妻のように献身的に尽くします

芸術と自由をこよなく愛するエマはだんだんとアデルが負担になり

パーティで再会したかっての恋人リーズと会うようになります

やけくそになったアデルは職場の男性と浮気をしてしまい

そのことはエマにばれ、ふたりは別れてしまいます

思えば最初からふたりは住む世界が違っていたんですね

一般的な家庭に育ち、生きていくために無難な仕事をして

好きな人と一緒に暮らすのが幸せが信条のアデルと

お金持ちでリベラル、芸術や哲学を教えられグルメなエマ

エマがレズビアンであることを

家族や周囲の人間にオープンであるのに対し

アデルは隠し通している

アデルの家に食事に招かれたエマが

アデルの両親の前では途端に小さくなっているのは可愛い(笑)

 

最初はお互い一目惚れ、刺激的な肉体関係に溺れ

それが愛だと思っていた、幸せだった

やがて学生時代を卒業して大人になり

美術の世界で苦しみながらも夢を追いかけるエマ

アデルに対しても精神的な繋がりを求めるようになります

だけどアデルは高校生の頃から成長しておらず

肉体的に愛されていないと不安に思う


エマにとってはそれが束縛だったんですね

だからといってアデルへの愛が冷めたわけじゃない

でもアデルにはそれがわからない

「もっと好きなことをやりなよ・・」

 

カフェで再会する長いショット最大の見せ場で

どうにかエマの愛を取り戻そうとする惨めなアデル

一緒には生きていけないと涙を流すエマ

(フランスのカフェではこんなことやっちゃっていいのか 笑)

季節は変わり、エマの展覧会に招待されたアデルは

エマたちと自分の住む世界が違うこと(階級の差)をやっと認識します

そしてひとり会場をあとにするのでした

 

この先もアデルは恋をしていくのでしょうが

10代の頃のような恋愛はもう二度とできないですよね

そして過去は美しい思い出になっていく

ちなみに原作ではアデルは薬物中毒になって死んでしまうそうです

そっちのラストも否定はできないですね

 

ツッコミどころもありましたが(笑)

全体的に凄く好み、私のスタンス

お気に入りにさせていただきます

 

 

 

【解説】allcinema より

2013年のカンヌ国際映画祭でみごとパルムドールに輝いた女性同士の愛の物語。青い髪をした年上の女性と出会い、レズビアンに目覚めていくヒロイン、アデルの情熱的な愛の人生を描く。作品のテーマとともに、その赤裸々な性愛描写が物議を醸した問題作。出演は「ルルドの泉で」「マリー・アントワネットに別れをつげて」のレア・セドゥと本作の演技で一躍注目の存在となったギリシャ系フランス人の新星、アデル・エグザルコプロス。監督はこれでまでにも数々の映画賞を獲得してきた俊英、アブデラティフ・ケシシュ
 高校生のアデルには上級生の恋人トマがいたが、満たされぬものを感じていた。そんな時、髪をブルーに染めた女性とすれ違い、心奪われる。すぐにトマに別れを告げたアデル。ある夜、偶然入ったバーであの青い髪の女性と再会する。彼女の名はエマ。年上の美大生だった。知的で洗練されたエマに急速に惹かれていくアデル。ほどなく、互いに心だけでなく肉体も激しく求め合うようになる2人だったが…。

ディナーラッシュ(2001)

「復讐と美味い料理は後を引く」
「後味も別格」

 

原題も「DINNER RUSH」(夕食のピークタイム、書き入れ時のこと)

NYトライベッカにある人気トラットリアで起こる

グランド・ホテル形式群像劇

作風やオチはクエンティン・タランティーノ風ですが

クドさやアクの強さは控えめ(笑)

群像劇といえば登場人物の多さと

繰り返しのシーンが多いのが特徴ですが

100分足らずなので飽きる前に見終わることもできます(笑)

NY4ツ星トラットリア(イタリアンレストラン)

「ジジーノ」のオーナー(で賭博の胴元)

ルイの相棒エンリコが孫娘のお迎えの帰りギャングに射殺されます

一転して、大繁盛する「ジジーノ」厨房

切れの悪い包丁を使調理人に

厨房は落伍者の逃げ場じゃない」とクビにしてしまう

〝いかにも〟シェフ(調理長)ウード

父親でオーナーのルイから店を譲り受けたいと思っていますが

ルイは評論家が絶賛する小洒落たイタリアンより

昔ながらのいわゆるお袋の味が好き

スーシェフ(副調理長)のダンカンを可愛がります

ウードもダンカンの腕を認め調理場をまかせているものの

ダンカンはギャンブル中毒で借金まみれ

その日のディナーラッシュでも多額な賭けをしてしまい

ラジオの中継に夢中で調理どころではありません

そこにクィーンズ地区で幅をきかせるギャングの

(エンリコを殺した)ブラック&ブルー兄弟が

ダンカンの借金を取り立てようと乗り込んできます

しかもトラットリアまで乗っ取ろうと企んでいます

トライベッカはリトルイタリーと呼ばれる

イタリア系移民が暮らす区画に隣接しているらしく

店を経営にギャングが絡んでくることも

リアルにあるのかも知れませんね

客あしらいのいい博識のバーテンダー

小銭を賭け客の出した難問に答えています

そのカウンターに長い時間座って酒を飲み続ける証券マンの男と

やがてやって来る娼婦風の女

テーブルには嫌味な老画商フィッツジェラルド

話題の新人アーティストを連れて来ては自慢しています

自らの絵を店に飾っているウェイトレスマルティ

「名刺を渡すよ」と言うフィッツジェラルド
「名刺よりチップをください」と返すのは痛快なシーン

別のテーブルにはカツラをかぶって来た(変装)
有名な料理評論家ジェニファーと友人の女性記者
ウードは店を繁盛させるためジェニファーと寝ています

 

娘が寝る時間だからと、早々に帰ろうとするのは
亡くなったエンリコの娘ナタリー
父が殺されたことでルイを恨んでいます
ルイはナタリーに我々はギャングではない
自分もエンリコも拳銃は持ったことはないし
その証拠に復讐もしていないとナタリーに説明します

ナタリーが帰った後ルイが電話すると
娘を寝かしつけたナタリーは、コーヒーを淹れるから
アーモンドチョコケーキ―を持って会いに来てとルイを誘います

遅れてやって来たのはドルリー刑事とその妻
予約3ケ月待ちの人気レストランにルイが招待したのです
これはなにかあると察したドルリー刑事
奥さんはめったにない外食だから仕事のことは忘れてと
夫に釘を打ちます

ホールのリーダーは中国系のニコーレ
過去にウードと関係を持った事あり、今はダンカンの恋人
賭けに負けたダンカンを路上でエチして励まします
おかげで仕事を投げ出し逃げようとしたダンカンは厨房に戻ります(笑)

ルイはダンカンに賭博から足を洗うように忠告して
ダンカンが負けた16000ドルを
ブラック&ブルー兄弟に返すようにと渡します
次にウードを呼び、店の経営を譲る約束をします
ブラック&ブルー兄弟が階段下にあるトイレにレイを呼ぶと
レイの会計士が階段に立ちふさがりました
ドルリー刑事の奥さんはトイレに入れずカンカン

トイレではカウンターの証券マンが用を足していました
その時ブラック&ブルー兄弟のデブの兄貴のほうが入って来て
証券マンはすかさずデブを撃ち殺し
次にトイレのドアの前にいた弟を撃ち殺し
16000ドル入った封筒を弟の内ポケットから抜くのでした
アンタ、殺し屋だったんかい(笑)

すぐにドルリー刑事が店から誰も出さないように指示しますが
レイと会計士と証券マンはすでに店を出た後でした
私たちが本当に好きなのは「したたか者」なのかも知れません(笑)

料理評論家はウードに
殺人事件がおきた店は繁盛するから(アメリカではそうなんかい)
しばらくは安泰ねと太鼓判を押すのでした

日本人にしてみると「その手で食材触るんかい」

「そのまな板で切るんかい」な瞬間も多々あるんですけど(笑)

撮影で使われた「ジジーノ」は実在するトラットリアで
ボブ・ジラルディ監督がオーナーのひとりということ
こちらも映画の影響で繁盛したかも知れませんね
(商売上手だ 笑)

 

 

【解説】allcinema より

ニューヨークの人気レストランを舞台に繰り広げられる様々な人間模様に殺人事件を絡め、一夜の出来事としてスリリングに描いた痛快なサスペンス・ドラマ。監督は数々のミュージックビデオやCMを手掛けてきたボブ・ジラルディ。監督自身がニューヨークに所有する実在のレストラン“ジジーノ”を使用して撮影を行い、戦場のごとき厨房の雰囲気を臨場感たっぷりに再現。主演はベテランのダニー・アイエロと注目の若手俳優エドアルド・バレリーニ。
 冬のニューヨーク、トライベッカ。イタリアン・レストラン“ジジーノ”のオーナー、ルイスは、長年のビジネスパートナー、エンリコがギャングに殺害されたことを知り気分が滅入っていた。もう一つルイスを悩ませていたのは、彼の息子ウードの存在。イタリア帰りのこのチーフ・シェフは、ルイスの反対を押し切り、伝統的な家庭料理で街の人々に愛されてきたこの店を、おしゃれな人々が集うトレンディ・レストランへと変えてしまったのだった。やがて日が沈み、今日もまた厨房もフロアも様々な思惑が錯綜する<ディナーラッシュ>の時間がやって来た。しかし、今日はいつもとどこか様子が違っていた……。
 CM仕込み(?)の軽妙で洗練された映像(特に配慮の行き届いた照明が素晴らしい)が心地いい。そして、クールな眼差しが印象的なエドアルド・バレリーニはこの作品で女性ファンのハートを掴むことだろう。厨房の臨場感は申し分なかったのだが、素早い包丁さばきなど料理人の華麗な指先が思いのほか映像としてフィーチャーされていなかったのは唯一残念な点か。それでも、ファミリーをなによりも大事にするイタリア系ならではの結末は最高のカタルシスをもたらしてくれる。硬軟織り交ぜて語られるレストラン“ジジーノ”の一夜は、まさに Oh, What a Night

真実(2019)

2011年に是枝裕和ジュリエット・ビノシュから

「何か一緒に映画を撮りませんか?」と誘われたのがきっかけ

そりゃあ断れませんよね(笑)

8年の構想をかけカトリーヌ・ドヌーヴを迎えて製作した

日仏合作映画

が、大女優カトリーヌ・ドヌーヴ

是枝監督が「毒舌家でわがまま」と評するくらい

遅刻はする、台詞は覚えてこない

初めて開けた台本で「ここはこう演じたいんだけどいいかしら」と

注文をつけてくる(笑)

監督はかなり苦労したようです

(それでこれだけ演技できるんだからな)

おがげでイーサン・ホークは、カトリーヌ・ドヌーヴ

ジュリエット・ビノシュの貫禄のせいで存在感薄し

もはや飼い犬にしか見えない(笑)

 

テーマが「家族」は、いつもの是枝だけど

出来としては小品の枠に留まった印象

これだけの大スターを集めたのに

いちいち台詞での説明が多いのも、音声解説じゃないんだから

見ればわかるって(笑)

フランスの老大女優ファビエンヌ

「真実」というタイトルの自伝本を出し

ニューヨークで脚本家をしている娘のリュミールは

テレビ俳優で夫ハンクと娘のシャルロットを連れて

お祝いのためパリの実家に帰ってきます

しかし本を読んだ娘は、何よこれ全部嘘じゃない

私の面倒なんかみたこともないと怒るわけですが

母親は女優だから真実は語らない

真実か嘘かなんてどうでもいいと

あっけらかんとしています

 

女優じゃなくても自分の記憶のなかの真実なんて

あてにはならないですけどね(笑)

でもファビエンヌ「大した映画じゃない」と言う

新作のSF映画の撮影に同行するうち

ファビエンヌにもリュミールにも心の変化が現れます

 

そこでは共演の若い女優マノン

天才女優(でリュミールの代母)だったサラの再来と評されていました

そのサラは昔ファビエンヌが監督と寝て主役の座を獲得したとき

海で溺死していました(自殺か事故かは不明)

サラを親っていたリュミールはファビエンヌがサラを殺したと思っています

ファビエンヌは、死んだサラに対する嫉妬と罪悪感を抱えていて

そのライバル心が今はマノンに向かっていました

しかし演技を重ねるうち自分の未熟さに気付き

永遠に若い母親と年老いた娘を演じている)

次第にマノンをことを認めていくようになります

とにかく普段は気が強くて我儘なんですけど

(大きな陸亀に前夫の名前をつけている)

秘書が本当に出て行ったら弱気になってしまったり

孤独で酒に溺れたり

実は幼い頃のリュミールのことを思っていてくれたり

母の繊細さを感じ取ったリュミールも

母を許し打ち解けていくようになります

ふたりは家にマノンを招待し

サラのワンピースをプレゼントします

そして「サラの再来」と呼ばれることにプレッシャーを感じ

苦しんでいる彼女を励ますのでした

 

いちばんしっかりしているように見えるのが

女優を夢見る孫のシャルロット

ファビエンヌにリスペクトされているんですね(笑)

真実と嘘、陸亀とおじいちゃん、偽物の世界にも適応している

しかもラストの台詞が「これって真実?」

(この子役がまた生意気だったらしい 笑)

全体的にキャストのアクの強さに比べて

ストーリーが弱いため不完全燃焼感が拭えない

でもそんな是枝監督を労うかのような秘書役がいい

メダルをもらって当然だね(笑)

 

ちなみにこの映画を見た人の多くはカトリーヌ・ドヌーヴ

是枝作品の樹木希林に例えていますけど

私にはどうやってもデヴィ夫人にしか見えませんでした(笑)

 

【解説】allcinema より

 前作「万引き家族」がカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた是枝裕和監督が、フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎え、日仏合作で撮り上げた家族ドラマ。国民的大女優とその娘が、母の自伝本出版をきっかけに、改めて自分たちの過去と向き合っていく愛憎の行方を繊細かつ軽妙な筆致で綴る。共演はジュリエット・ビノシュイーサン・ホークリュディヴィーヌ・サニエ
 フランスの国民的大女優ファビエンヌが、『真実』という名の自伝本を出版することに。海外で脚本家として活躍している娘のリュミールは、人気テレビ俳優の夫ハンクと娘のシャルロットを伴い、パリ郊外のファビエンヌの屋敷を訪ねる。お祝いの名目でやって来たリュミールだったが、気がかりなのは本の中身。事前に原稿チェックができなかった彼女は、さっそく出来上がったばかりの『真実』に目を通す。翌朝、リュミールが苛立ち紛れに内容のデタラメぶりを非難すると、“真実なんて退屈なだけ”と平然と言い放つファビエンヌだったが…。

 

ジュリー&ジュリア(2009)

原題も「JULIE & JULIA

 

ジュリア・チャイルド(19122004)は1961年にフランス料理本

Mastering the Art of French Cooking

(フランス料理の芸術をマスターする)を発表し

62年にはテレビの料理ショーの司会者として活躍した

アメリカの有名な料理研究家

ジュリー・パウエル(1973~)はアメリカの人気料理ブロガーで

2005年にブログ本

Julie & Julia:365 Days524 Recipes 1 Tiny Apartment Kitchen

(ジュリーとジュリア:365524レシピ、1つの小さなアパートのキッチン)

を出版しベストセラーになりました

 

ジュリーは地方公務員として働く苦情処理のオペレーターで

学生時代のランチ友は今やセレブで自慢話ばかり

ストレスは溜まり、おまけにもうすぐ30歳になる不安でいっぱい

そんな彼女の趣味は料理することで

尊敬してやまない料理人はジュリア

彼女は決して失敗を恐れない(天然ともいう)

落とした食材ですら、笑ってごまかして使うキュートさ(プロなのに)

でも自称ADHDのジュリーは仕事でも料理でも

いちいち落ち込んだりキレたり八つ当たりしてしまう

そこで夫のエリックは料理ブログをやってはどうかと提案します

実際彼女の作る料理は美味しい

そこでジュリーは1年でジュリアの全524のレシピを作り

ブログにアップする計画を立てるのです

タイトルは「ジュリー/ジュリア プロジェクト」

 

食べるのが大好きなジュリアは

外交官の夫の仕事でパリに住むことになります

そこでフランス料理の魅力に憑りつかれ、なんとかマスターしたいと

料理学校「ル・コンドン・ブルー」に入学しようと考えます

「ル・コンドン・ブルー」は「麗しのサブリナ」(1954)で

自分磨きのためにオードリーが通う料理学校として有名ですね

実際はプロ育成のための本格的なフランス料理学校です

玉ねぎもまともに切れない外交官の奥さまは当然断られるわけですが

ジュリアそのバイタリティーで粘りに粘ってやっと入学(笑)

その後はメキメキと腕を挙げ

(当時は英語で書かれたフランス料理のレシピ本がなかった)

家庭で作る(助手が不用)本格フランス料理本を発表します

いくら家庭で作るフレンチといっても

高級な牛肉のフィレ肉やロブスター

入手困難な食材や調味料もあったと思うんですね

そのたびにジュリーは喜んだり、時には落ち込んでしまう

しかもこんなに頑張っても、誰がブログを見てくれるのだろう

優しい夫のエリックもさすがに付き合いきれなくなり

ついにアパートを出て行ってしまいます

ここまで頑張れたのもエリックの応援があってこそ

そして料理は自分だけのためじゃない、食べてくれる人のために作るもの

ジュリーは多いに反省しエリックに謝罪します

ジュリーのブログは徐々に読者が増え、やがて人気ブログに

ついにはニューヨークタイムズに記事が掲載され

その反響は大きく、多くの出版社から出版の依頼がきます

有頂天になるジュリー

 

しかし90歳になるジュリアを取材したという記者から

ジュリアがブログのことを不快に思っていると聞かされ

(ジュリアじゃなくても彼女の人間性はちょっと不快 笑)

再び落ち込んでしまうジュリー

それでもエリックの暖かい励ましにより

ついに524のレシピを作り上げることに成功するのです

 

これジュリーの立場や性格にスポットを当てるより

フランス料理の複雑さとか、高額な材料費を捻出する手段とか

盛り付けの難しさ(食器を含む)という挑戦への無謀さを

仕事を持つ主婦目線で現わしたほうが

ずっと面白くなったと思うんですよね

 

結局作ることだけを目標にしてしまって

料理を美味しく味わったり、楽しむことが出来なくなってしまった

あげくの果てには2回も作った牛肉の煮込み料理を食べてさえいない(笑)

ただ、モチベーションを保つ手段として

ブログに記録を残すことには共感できますし(笑)

それを誰かが参考にしてくれたら、やはり嬉しい


料理ドラマとしてではなく

過去と現在2組の夫婦愛(というか夫)の物語だと思って見れば

それなりに満足できたかもしれません

 

 

【解説】allcinema より

およそ50年前にフランス料理を一般の家庭に紹介し、アメリカの食卓に一大革命をもたらした伝説の料理研究家ジュリア・チャイルドと、彼女の料理本に登場する524レシピを1年にわたって毎日作り続けブログに綴ることを決意した現代のOLジュリー・パウエル。そんな2人の実話を基に、悩める2人の女性の人生が料理を媒介に時を越えて重なり合うさまをハートフルに描く女性ドラマ。主演は「ダウト ~あるカトリック学校で~」に続いての共演となる「マンマ・ミーア!」のメリル・ストリープと「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス。監督は「めぐり逢えたら」「ユー・ガット・メール」のノーラ・エフロン
 1949年。外交官の夫ポールと共にパリにやって来たアメリカ人主婦、ジュリア・チャイルド。天真爛漫で食べることが好きな彼女はフランス料理に魅了され、名門ル・コルドン・ブルーに通い始める。やがてフランス料理のレシピ本執筆に情熱を注いでいく──。現代のニューヨーク。作家になる夢を持ちながらも現状に満たされないものを感じ、何かを変えたいと思っているOL、ジュリー・パウエル。彼女は、ひょんなことから料理ブログを思い立ち、その中でジュリアの524レシピを365日ですべて作り上げることを決意する。理解ある夫エリックの協力もあり、最初は順調に進んでいくかに思われたジュリーだったが…。